NFV環境とは、ネットワークの各種機能を仮想化し、データセンターやネットワーク拠点に設置したサーバ等に機能集約して提供するネットワーク仮想化技術の総称になる。
トレンドマイクロのNFV向けセキュリティアーキテクチャ「分散セキュリティ機能チェイニング」は、細分化した複数のセキュリティ機能を、仮想マシンベースのセキュリティソフトウェア製品としてNFV環境に分散実装する。
ネットワーク上の適所に配置された各機能は、ITサービスの利用形態(メール送受信、ウェブサイト閲覧など)やセキュリティの脅威状況に応じて複数のセキュリティ機能を動的に組み合わせて利用することで、必要なセキュリティ機能を必要なタイミングで利用することが可能になるという。
今後、トレンドマイクロは通信事業者やクラウドサービス事業者とともに、このアーキテクチャをベースとしたソリューションの実用化を進めていくとしている。
「IIJ Omnibusは」、SDN(Software Defined Networking)とNFVの技術を活用したクラウド型の新しいネットワークサービス。企業ネットワーク上で必要とされるさまざまな機能を仮想化し、オンデマンドで提供するEnterprise as a Service(EaaS)のサービスとして、IIJが2015年9月より提供している。
実証実験における柔軟なセキュリティ機能の追加や動的なネットワーク制御は、「IIJ Omnibus」の技術を応用することで実現している。実証実験では、セキュリティの監視レベルの強度を「IIJ Omnibus」上で動的に変更し、さらに不正な通信を発見した際にはネットワーク制御でブロックするという一連の動作を検証したという。