産業分野別に見ると、オムニチャネル戦略に注力している小売業界、顧客サービス向け活用が見込まれる保険業界、製造現場での活用が盛んな組立製造業、電力に続いてガス自由化が予定されている公益業界などの成長率が顕著だ。企業規模別では、大企業を中心に高成長率となるが、予測期間後半には中堅中小企業でも活用ケースが増える見込みだ。
今後、第3のプラットフォーム市場は企業向け市場を中心に成長し、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.7%と、国内IT市場のCAGR(0.8%)、国内ICT市場のCAGR(マイナス0.3%)を大きく上回り、2020年には約13兆9,018億円の市場規模に達する。予測期間前半では、既に一般消費者に行き渡ったモビリティが企業向けで成長し、これをベースにクラウド、ソーシャル市場を取り込んで成長し、後半にはビッグデータ市場の成長も誘発する。
しかし、第3のプラットフォームへの支出がデジタルトランスフォーメーションに見られる企業変革を生み、より大きな投資対効果を生み出すことかどうかは、企業の組織構造や文化も同時に変革できるかにかかっている。
IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は「ITベンダーは、第3のプラットフォーム活用の鍵を握る大企業に対して、とかくサイロ化しがちな各部署(開発/設計部門、マーケティング、製造ライン、保守部門など)をつなぎ、顧客中心型ビジネスの実現に向けてより効果的な連携を促すべきである」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内第3のプラットフォーム市場 産業分野別 企業規模別予測アップデート、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。