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2016年国内PC市場、ビジネス向けの出荷台数は前年比5.6%増――IDCが実績値を発表

2016年第4四半期、ビジネス市場は前年同期比12.8%増

 2016年通年の国内トラディショナルPC出荷台数は、合計で前年比0.1%増の1,056万台となった。内訳を見ると、ビジネス市場が同比5.6%増で637万台、家庭市場は同比7.3%減の418万台となった。IDCでは、トラディショナルPCとして、デスクトップPC、ポータブルPC、ワークステーションを集計している。

 2016年通年のベンダー動向を見ると、NEC レノボ グループと富士通の順位は不動でそれぞれ1位、2位を維持したが、東芝が3位から5位に順位を落とした。デルとHP Inc.が3位タイで東芝を抜く結果となった。

 2016年第4四半期(10月~12月)のトラディショナルPCの出荷台数は、前年同期比5.7%増で259万台となった。ビジネス市場は同比12.8%増の149万台、家庭市場は2.5%減で110万台だった。ビジネス市場での好調が家庭市場のマイナス成長を補い、全体でプラス成長へと引き上げる結果となった。

 ビジネス市場好調の背景として、Windows 7プリインストールPCについてパブリックセクターを中心とした特需が発生したこと、中小企業セグメントで買い替え需要が顕在化し始めたことなどが考えられる。家庭市場では、Appleの新製品の出荷が好調だった。ベンダー別にみると、デル、HP Inc.、富士通の出荷台数の増加が市場の成長に大きく寄与した。

デル、HP Inc.、富士通が前年同期を上回る

 2016年第4四半期における上位5社のベンダーシェアについては、第3四半期(7月~9月)でHP Inc.に逆転されたデルが3位に返り咲いた。上位5社については、富士通、デル、HP Inc.がビジネス市場および家庭市場で前年同期を上回ったが、NEC レノボ グループと東芝はマイナス成長とであった。

 NEC レノボ グループは、ビジネス市場で前年同期比3.2%増、家庭市場で同比10.3%減となり、全体では3.2%減となった。

 富士通は、ビジネス市場で前年同期比18.4%増、家庭市場で同比1.9%増となり、全体では12.2%増となった。

 デルは、ビジネス市場で前年同期比11.5%増、家庭市場で同比37.2%増となり、全体では19.0%増。家庭市場では、家電量販店向け出荷が順調に伸び、今回の高い成長率に貢献した。

 HP Inc.は、ビジネス市場で前年同期比20.5%増、家庭市場で同比10.8%増、全体では19.2%増と大幅なプラス成長となった。

 東芝は、ビジネス市場で前年同期比13.3%増、家庭市場で同比23.3%減。家庭市場での落ち込みが大きく、全体でも9.2%減と大きなマイナス成長となった。

 IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネジャーの市川和子氏は「家庭市場では、Windows XPサポート終了に伴う需要が終息した後、長らくマイナス成長が続いていたが、2016年に底を打ったとみている。とは言うものの、2017年に入っても回復の勢いは弱く、昨年と同程度の出荷レベルで推移するであろう。一方、ビジネス市場では2016年に回復フェーズに突入しており、2017年も引き続き成長が見込める。しかし、国内のビジネス市場は2016年の第2四半期(4月~6月)から第4四半期にかけて世界の主要地域を上回る成長率で伸びており、2017年の成長率は一段落するであろう」と分析している。

 今回の発表は、IDCが発行する「国内PC市場 2016年第4四半期の分析と2017年~2021年の予測」にその詳細が報告されている。

参考資料1:国内トラディショナルPC市場ベンダー別出荷台数およびシェア(作成:IDC Japan)  
参考資料2:国内トラディショナルPC市場出荷台数および対前年成長率、2007年~2016年(作成:IDC Japan)  
参考資料3:2016年第4四半期 国内トラディショナルPC出荷台数 トップ5ベンダーシェアおよび対前年成長率
(作成:IDC Japan)  

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