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OpenStackとDockerは実装段階へ、2017年が普及元年に――IDCが企業の導入状況調査

OpenStack(クラウド基盤ソフトウェア)―4分の1の企業が実装を進める

 OpenStackの導入状況について調査した結果、「本番環境で使用している」という企業は10.6%となり、2016年調査の7.0%から3.6ポイント上昇した。さらに「開発/テスト/検証段階」の企業は14.4%となり、2016年調査の8.3%から6.1ポイントも上昇した。

 この2つの回答を合わせると、全体のおよそ4分の1がOpenStackの実装を進めていることになる。反対に「使用する計画/検討がある」と回答した企業の割合が2017年調査では減少している。この結果から、計画/検討段階から具体的な実装段階に入った企業が増加したことが明らかになった。

 OpenStackを本番環境で使用中、開発/テスト/検証段階、計画/検討している企業に対して、OpenStackを使用していく上での課題について質問したところ、「OpenStackに精通しているエンジニアが少ない」が25.0%と最も回答が多くなり、2016年調査と同様に課題のトップとなった。

 次に「半年ごとのメジャーリリースに追従できない」と「OpenStackの信頼性に不安が残る」が17.2%で続いた。2016年調査で28.6%と回答率が高かった「セキュリティの脆弱性に不安がある」は、2017年調査では13.8%にまで下がり、セキュリティへの不安は解消されてきている。

Docker(コンテナプラットフォームソフトウェア)―Kubernetesが主流か

 Dockerの導入状況について調査した結果、「本番環境で使用している」という企業は6.0%となり、2016年調査の3.7%からわずかに上昇した。しかし「開発/テスト/検証段階」の企業は13.1%となり、2016年調査の5.2%から7.9ポイントも上昇した。反対に「使用する計画/検討がある」と回答した企業の割合が2017年調査では減少している。

 この結果から、OpenStackと同様にDockerについても計画/検討段階から具体的な実装段階に入った企業が増加したことが分かる。また、Dockerを使用している企業の34.8%がDockerコンテナの管理にKubernetesを使用しており、主流になりつつある。

 Dockerを本番環境で使用中、開発/テスト/検証段階、計画/検討している企業に対して、Dockerを使用していく上での課題について質問したところ、「Dockerに精通しているエンジニアが少ない」が24.7%と最も回答が多くなった。2016年調査では19.5%であったことを考えると、Dockerの需要増加に対してエンジニアの供給が追いついていない状況が伺える。その次には、「セットアップや運用管理のためのドキュメントや公開情報が少ない」が18.0%、「Dockerコンテナ環境の運用管理が難しい」が16.9%で続いている。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は「これまでOpenStackとDockerに対する注目度は非常に高かったが、実際にはサービスプロバイダーをはじめとする一部の先進的な企業の導入にとどまっていた。しかし本調査結果からも分かるように、2017年は2016年までの傾向とは明らかに異なっており、OpenStack、Dockerともに具体的な実装段階に入っていく企業が増えていくとみられる。2017年はOpenStackとDockerにとって普及元年になる可能性が高い。一方で、エンジニア不足の課題が露呈する一年にもなるであろう。国内IT業界を挙げてエンジニアの育成を早急に行っていくべきである」と述べている。

参考資料1:OpenStackの導入状況に関するユーザー調査結果[サーバー仮想化を実施している企業が対象]
(作成:IDC Japan)  
参考資料2:Dockerの導入状況に関するユーザー調査結果[サーバー仮想化を実施している企業が対象]
(作成:IDC Japan)  

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「2017年 国内システムインフラストラクチャ市場 ユーザー動向調査」にその詳細が報告されている。このレポートは、アンケート調査結果をもとに、国内ユーザー企業におけるITインフラストラクチャのニーズ動向について集計/分析したもの。OpenStackとDockerの導入状況、ハイブリッドクラウドやSoftware-Defined Infrastructureに対する意識などについて、詳細に分析を行っている。

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