「MIRACLE Hatohol Enterprise」は、ミラクル・リナックスがオープンソースソフトウェア(OSS)の「Hatohol」を商用版として製品化したもので、MIRACLE ZBXシリーズおよびOSSのZabbixやNagiosなどの運用管理ツールで検出したイベントを集約して一元的に監視することができる。個々のシステムやサービスごと、あるいは各拠点に別々の監視サーバーを設置してシステム監視を行っている企業での導入が進んでいるという。
最新版となる「MIRACLE Hatohol Enterprise v2.1」では、ユーザーインターフェイスを改善し、重要イベントを見逃さないイベント画面としたほか、HAPI(Hatohol Arm Plug-in Interface)2.0を搭載し、Zabbix、Nagiosを含め、実績の高いオープンソースのFluentdやHinemosなど各種運用管理ツールとの連携が容易になったとしている。システムの拡大時にも既存の監視を止めずに監視サーバーを追加でき、スケールアウト時の高可用性を実現している。
また、クラウド環境を含めた監視も可能。最新版は、2016年12月リリースのコミュニティ版「Hatohol 16.12」をベースに企業システム向けに開発し、さらなる負荷試験、機能試験を通した品質向上を実施して提供している。
■「MIRACLE Hatohol Enterprise」の主な機能
・統合システム監視環境との連携
MIRACLE ZBXやZabbix、Nagiosなど、複数の監視システムが監視しているサーバーやシステムの情報を統合し、単一のビューで監視することができる。拠点が物理的に離れている場合やシステム規模が増大して監視サーバーをスケールアウトする場合に、それらをまとめて監視することができる。
・インシデント管理システムとの連携
情報集約部より異常と判断された事象について、OSSのインシデント管理システム(Redmine)と連携して自動起票し、そのインシデントの状態(未確認・受理・調査中・クローズなど)をHatoholのイベント一覧画面から閲覧可能にする。
■最新版「MIRACLE Hatohol Enterprise v2.1」での主な機能強化
・ユーザーインターフェイスの改善
障害などのシステムに影響を及ぼす重要イベントを見逃さないように設計したイベント画面に改善。
- 「未対処の重要イベント数」を表示し、重要イベントの発生状況を瞬時に把握可能
- イベントごとに「対処中」「対処済」など対処状況をマークすることが可能
- 個々の運用スタイルに合わせた柔軟なフィルタリング(絞り込み)が可能
- イベント画面上に対処履歴や引き継ぎ事項などのコメントが可能
- 運用に合わせて、深刻度ごとに表示色の変更や、表示する項目の選択などのカスタマイズが可能
・最新のHAPIによりユーザーが各種運用管理ツールとの接続用プラグインを作成可能に
HAPI 2.0を搭載し、Zabbix、Nagiosを含め、運用管理ツールとの連携が容易に実現できるようになった。
- HAPI 2.0を利用したプラグインを作成することでHinemosや各種運用管理ツールなどと連携可能
- Hatoholと各種運用管理ツールとの通信を暗号化可能