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ERP市場、伸び率はやや減速、ERPパッケージベンダーにより明暗が分かれる傾向――矢野経済研究所調査

 発表によると、ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとは、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理などの基幹業務データを統合する情報システムを構築するための基幹業務管理パッケージソフトウェアを指す。また、調査におけるERPパッケージライセンス市場では、基幹業務の一部機能のみを持ち、ERPパッケージのモジュール(構成要素)となるパッケージソフトウェアも対象としている。

1. 市場概況と予測~2016年は前年比4.4%増で伸び率はやや減速

 2016年の国内ERPパッケージライセンス市場は1,130億4,000万円(エンドユーザ渡し価格ベース)、前年比4.4%増となった。2015年(前年比 8.0%増)及びここ数年の伸び率からするとやや減速となった。  2015年はマイナンバー(社会保障・税番号)制度施行を契機とした販促活動により、一部のERPパッケ ージベンダーが人事給与分野を中心に業績を伸ばしたが、2016年は法制度の改正や何らかのトレンド に影響されることのない年であった。

 また、リーマンショック時に一時民間企業によるIT投資が凍結され、その後しばらくは景気好転によるIT投資の再開が追い風となっていたが、2016年にもなるとそうした動き は終息している。そういった意味では、2016年は論点が乏しい年だったといえる。

 一方、ユーザ企業の景況感は底堅く、ERPへの投資は継続しているが、単なる老朽化対策による情報システムリプレイス需要には留まらず、デジタル変革が進み急激に変化する経営環境に対応するため、経営基盤であるERPを見直すユーザ企業が増えており、ERP市場の成長を支えている。こうした傾向は 今後も底堅く、2017年の同市場は、前年比4.8%増の1,185億円(同ベース)になると予測する。

2. ERPパッケージベンダーの動向~好調か停滞気味か、業績の明暗が分かれる傾向

へ  ERPパッケージベンダーの2016年の動向を見ると、前年比2桁増など市場平均以上の成長を遂げた企業と、特段のマイナス要素があるわけではなくても売上高が横這いやマイナスになった企業とに、明暗が分かれる傾向が見られた。

 昨今、主要ERPパッケージベンダーは、クラウド化やデジタル変革への支援等をコンセプトとし、高速処理やAI(人工知能)搭載等の機能を持つ「モダンERP」と呼ばれる新しいタイプの新製品をリリースし、ユーザ企業の評価を得ている。経営環境やIT技術の大きな変化に伴い、ERPも進化しているといえる。

 一方で、自社の営業力や営業パートナーの販売網によって、情報システム更新や企業グループでの一 括導入などの需要を丁寧に拾うことができる販売力が強いタイプのERPパッケージベンダーも順調に案 件を獲得している。他方、競合他社に対して、製品力や販売力での差別化が遅れている企業は苦戦している。  ERPパッケージライセンス市場の成長率が鈍化しているなかで強みを発揮するためには、各ERPパッケーベンダーは製品や販売、サービスに特長を持つことが重要となっていると考える。

3. 注目すべき動向~クラウド化が本格的に進展する見通し

 ERP市場でのクラウドの利用が本格化している。いち早くクラウドにシフトしたCRM/SFAやその周辺システム(就業管理、タレントマネジメント等のシステム)と比較して、基幹システムであるERPはクラウド化が遅れていたが、その風向きは変わったといえる。1~2年前までは、ERPでクラウドを利用するのはITの活用に積極的な大手ユーザ企業と、手軽なサービスを求める中小零細企業に両極化し、保守的な姿勢が強い中堅企業はクラウド利用に踏み切れない傾向がみられたが、現時点においては企業規模を問わずクラウドが採用され始めている。

 クラウドを利用するメリットである、導入スピードの早さ、運用コストの削減、コンプライアンスを確保しやすいなどの利点が、ユーザ企業において幅広く評価されるようになっている。ERPパッケージベンダー側も「クラウドファースト」の姿勢を強めており、新たにSaaSの提供を開始する等、クラウドサービスの種類も増えている。今後のERP市場において、クラウド化は一層加速すると予測する。

ERPパッケージライセンス市場の市場規模推移と予測

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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