「HYPERSTORE」は、国内外のクラウドサービスやエンタープライズITにおける大量データを保存するストレージを構築するソフトウェア製品で、標準的で汎用的なサーバをハードウェアに使う。数十テラバイト程度の小規模から始め、データ量の増加とともにハードウェアを追加していくだけで、ストレージシステム全体の容量を無制限に拡張できるという特徴を持つ。
そのため、特に24時間365日間、機械が生成するIoTのデータ、ディープラーニングのようなAI(人工知能)の認識精度を高めるための学習用データ、4K/8Kといった高精細・高解像度化する映像や画像データなど、新たに大量生成されるデータを経済的に、長期間、安全に保管するために適しているという。
東レグループは、研究・開発や製造の過程において膨大なデータを生成しており、増加し続けているという。東レシステムセンターでは、それらを確実に保護していくためには、これまで以上にコストパフォーマンスがよい巨大なストレージが必要になると考えていた。複数の製品を比較の結果、クラウドで高い実績を誇るAmazon S3 APIとの互換性が圧倒的に高く、容量に上限がなく、単一障害点のない分散アーキテクチャである点を特に高く評価し、オブジェクトストレージ製品「HYPERSTORE」を採用した。
これまで東レシステムセンターでは、容量制限を設けずに社員のデータを保存できるオンラインストレージのようなファイル共有アプリケーションやファイルサーバーのストレージとして「HYPERSTORE」を使い、安定的に運用してきた。
また、「HYPERSTORE」のCRR(クロスリージョンレプリケーション)機能を使い、パブリッククラウドであるAmazon S3にデータを自動複製するDR(災害復旧)対策も同時に実現した。今後は、従来のNASでは対応しきれないAI、IoT、ビッグデータをも扱う共通ストレージ基盤へと利用を拡張していくという。