2ラック削減できて月に50万のコスト削減 パフォーマンスも向上
結果としてどう変わったか。Oracle RACはそのまま、2ノード環境を8セットから、2ノード環境を6セットに変え、ストレージは全てXtremIOに切り替えた。構成変更でサーバー台数が減っただけではなく、付属するインターコネクト用スイッチやFCスイッチなどが共有できて、物理ラックの本数が4本から2本になった。
ラックの本数が減ったことは大きい。場所をとらなくなっただけではなく、運用コストを月に50万削減できたという。清水氏は「ストレージをXtremIOに変えても、コスト的に釣り合います」と話す。
パフォーマンスも向上した。これまでは使用していたストレージに依存して安定しているが若干遅い環境と、普段はそれなりに早いがログスイッチなどのIO負荷が高まるとレイテンシが悪化する環境という微妙な状態だった。しかしXtremIOに変えて統合してからは「安定して速くなりました。(データベース側でチューニングすることなく)ストレージを変えただけなのに」と清水氏。
アプリケーションチームからは為替レート変動時の書き込みが4~5msから2~3msへと短縮され「速くなりましたね」と好評だという。実際にSTATSPACKで比較すると、「log file parallel write」は約半分、「log file sync」は約1/4になり、パフォーマンス向上できたのが見てとれる。
最後に清水氏はXtremIO購入時の注意点をいくつか挙げた。細かいことかもしれないが、見過ごすと意外と致命的なので重要だ。まず「基本的には200V電源が必要であること」。200V電源が確保できずに断念するケースもあるようだが、セントラル短資FXでは「ディスク本数が少なかったため100V電源で足りました。基本は200V電源が必要ですが、100V電源でも足りることがあるので、Dell EMCの担当者さんに確認してみてください」と清水氏。
もう1つは「XtremIOは大きい(長い)」。同社が使う奥行き1mのラックだと、XtremIOははみ出してしまう。そこでブラケットを挟み、XtremIOをラックの前方方向にずらすことで、無事にラックに搭載できたという。ただしその経緯でちょっとした計算違いがあり「かっこいいフロントベゼルを取り付けられなかった」(清水氏)。性能には全く関係ないが、見た目がむき出しになってしまい、そこがちょっと口惜しいのだとか。これも基本的かつ忘れてはいけない物理設計に入るのかもしれない。