Slack、G Suite、Zoom、Atlassianと連携強化
新機能はすでに6月12日より、先行アクセスプログラムのユーザーに対し提供が開始されているが、6月20日の「Dropbox Connect 2019 inTokyo」の中で、同社CTOのクエンティン・クラーク(QuentinClark)、Dropbox Japanの五十嵐光喜社長により正式に紹介された。五十嵐社長とクラーク氏はかってマイクロソフトで一緒に働いた仲だ。
五十嵐社長は、冒頭で日本の働き方改革について述べる。「日本では1日のうち35%が本来の業務以外の時間に割かれている。既存の情報を探したり。会議のための調整などの時間。今回のDropboxの機能強化によりこうした無駄な作業の時間は削減される」(五十嵐社長)
さらにCTOのクラーク氏は、Dropboxの新機能の目的を紹介した。
Dropboxをはじめ、Slack、Zoom、Googleドキュメントなどのオンラインアプリケーションは、個人やチームのニーズに応えるため企業への導入も進んでいる。「個人利用から企業導入」の流れが最近のトレンドだ。この場合、課題になるのが「ワークフローの分断」「コンテンツの分散」「利用状況の管理」などだ。
複数のアプリを行ったりきたりするため、ワークフローが分断され、ユーザーのエクスペリエンスも途切れる。それぞれのサービスの管理下にファイルを置いたり添付することで、コンテンツは分散してしまう。企業にとっては、コンテンツは知財でもあり、個人間の管理や分散はリスクも伴う。また、データの不正な持ち出しや閲覧の制限などへの対応も必要となる。今回のDropboxはこれら課題を解決し、チームでの活用ニーズに答えるためのアップデートだという。
「相互にデータのやりとりやアプリ間のワークフローの分断が課題だった。Dropboxは、こうした仕事上のストレスを削減することに注力しており、一元化する煩雑な作業から解放され、業務に集中できるようになる。」(クラーク氏)
「フォルダ共有」ではなく「ワークスペースの共有」でスムーズ連携
Dropboxの新機能の特長はワークスペースの共有だ。これまでは「フォルダの共有」などで複数メンバーがデータを利用していたが、「ワークスペース」にコンテンツを管理することで、各種のアプリケーションからも適切に利用され、かつIT管理者による管理も可能になった。
ユーザーにとっては、SlackでのやりとりやZoomでの会議で参照するデータも、AtlassianのTrelloボードでのWebへのリンクも、従来のコンテンツと一緒にDropboxに保存することができるようになる。 GoogleドキュメントやMicrosoft OfficeのファイルをDropbox上で直接作成し、開くこともできるようになった。また、チームメンバーの管理機能も強化され、マルチチームの管理、チーム統合、個々のビジネス用アカウントから個人アカウントへの変換、メンバーの容量制限なども可能になった。
さらに、Atlassian社とも戦略的パートナーシップを締結し、両プラットフォームを、今後数か月間で緊密に統合し、共同作業におけるプロジェクトの整理、調整、実行がよりスムーズになる予定だという。
新しいデスクトップアプリは、先行アクセスプログラムに参加することで利用できる。また、企業管理者は管理コンソールからチーム全員を参加させることができる。これらの機能は、Dropboxの全ユーザーを対象に、今後数週間で段階的にリリースされる予定だ。
■関連リンク
新しくなった Dropbox の紹介
https://navi.dropbox.jp/meet-the-new-dropbox