世界最高齢プログラマ、デジタルクリエーター、ITエバンジェリスト
若宮正子さん、御年84歳。高校卒業後に三菱銀行へ就職し、定年まで勤めあげる。ここから独学でパソコンの習得を始める。まだWindows 95のころだ。80代でiPhoneアプリ「hinadan」をリリースし、アップルの世界開発者会議「WWDC 2017」でティム・クックCEOから世界最高齢プログラマーと紹介され、一躍時の人に。
今では内閣府の「人生100年時代構想会議」の最年長有識者議員を務め、国連本部から小中学校まで各地を奔走して講演を続けるほど多忙な日々を送る。熱中小学校では教諭を務めている。
あまりにエネルギッシュで、頭が上がらない。講演は1時間超の長丁場だったにも関わらず、若宮さんは背筋をぴしっと伸ばして身ぶりも加えながら、早口で話を進めていく。若宮さんを立たせて、若造の私がのうのうと座って聞いていいものだろうかと心落ち着かなくなる。しかも若宮さんは自らのことを「マーちゃん」と呼ぶ。驚かされっぱなしだ。
今回の講演では、東北への被災地支援キャラバン報告、G20「高齢化と金融包摂」分科会における提言、エストニア訪問記、そして子どもたちへのメッセージで締めた。このなかから、いくつかピックアップして紹介しよう。