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デジタル化に向けて企業はブロックチェーンとどう向き合うべきか 【第3回】Lv.4のデジタル化に備えるためのブロックチェーン

  2021/03/01 08:00

 これまで、ブロックチェーンがどこの領域で活発に利用されているかに触れながら、「なぜブロックチェーンを利用するのか」、「どのブロックチェーンを利用すべきか」という問いについて、議論してきました。最終回となる今回は、これまでの議論を踏まえ、企業が今後デジタル化を進める上でどのようにしてブロックチェーンと向き合うべきかに関して議論していきます。

デジタル化のレベル分けとブロックチェーンの位置

 これまでブロックチェーンの様々な領域における事例を踏まえ、「なぜブロックチェーンを利用するのか」、「どのブロックチェーンを利用すべきか」という問いについて、議論してきました。しかし、デジタル化にも段階があり、いきなりブロックチェーンが価値を発揮できるわけではありません。たとえば、紙やハンコが残存している状況でいきなりブロックチェーンの導入を検討するのは時期尚早で、他にやるべきことがたくさんあります。つまり、企業がブロックチェーンを上手く活用するためには、まずデジタル化の過程におけるブロックチェーンの位置付けを正確に行うことが重要です。

 ブロックチェーンの特長を生かすことができるのは、個社におけるデジタル化が十分に進んでいることが前提となります。当社ではデジタル化を4つの段階でレベル分けをして捉えています。Lv.1は「ツールのデジタル化」、Lv.2は「業務のデジタル化」、Lv.3は「業務の高度化」、Lv.4は「コラボレーション」です。

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 Lv.1はツールのデジタル化で、UIとしての紙・ハンコの廃止やオンプレ環境からクラウドへの移行を指します。これを実現するコアな技術は、SaaSパッケージの導入やAPIの構築です。ツールそのものをデジタル化することがLv.1のデジタル化にあたります。

 Lv.2は業務のデジタル化で、ワークフローのデジタル化や、基幹システムとSaaSの連携を指します。これは、システム間をAPIでつなぎ込むことで実現可能です。また、最近では「iPaaS」としてSaaS間のつなぎ込み自体をソフトウェアとして提供するサービスも多く存在します。

 Lv.3は業務の高度化であり、決済、受発注、物流などの高度な処理の自動化を指します。これは、機械学習や銀行API、スマートコントラクトによって実現されます。決済の自動化の例としては、請求書が稟議を経て承認されたとき、電子的な署名が付与されていれば、期日までに自動で振り込みが執行されるといったことが挙げられます。

 Lv.4はコラボレーションです。これは、企業間での受注先の共有やサプライチェーンマネジメント、トレーサビリティ、ファイナンスプロセスの拡張、自動化を指します。Lv.4のデジタル化がもたらす具体的な影響については後述しますが、ブロックチェーンは、このLv.4の「コラボレーション」を実現するためのコア技術に当たります

 現在、日本企業の多くは現状(Lv.1)と理想(Lv.4)の間に大きなギャップがあり、コロナ渦においてようやく紙やハンコの廃止が推進されるなど、Lv.1のデジタル化が進んできている状況です。第1回で紹介したように、ブロックチェーンの社会実装は進展を見せているものの、個社におけるデジタル化が完全にされていない状況では、ブロックチェーンの導入も難しい状況であります。実際に、ブロックチェーンを活用してデジタル化をしたいとご相談をいただいたお客様の課題の中には、Lv.1~3のデジタル化で解決するようなケースが多く見受けられます。

 このように、企業がブロックチェーンを活用するためには、まずブロックチェーンの位置付けを正確に行い、現状(Lv.1)と理想(Lv.4)の間にあるギャップを認識することが重要です。では、ブロックチェーンを活用し、Lv.4のデジタル化が実現された時、どのような変化がもたらされるのでしょうか。

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著者プロフィール

  • 北岡 知晃(キタオカ トモアキ)

    LayerXソフトウェアエンジニア。LayerX『エンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポート[基本編]、[プライバシー編]』共同執筆者。

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