4つのカテゴリーでアプリケーションを再整理
この1年を振り返ると、全世界がかつてないほどの困難に見舞われたが、不幸中の幸いはその過程でデジタルテクノロジーが日常生活やビジネスにとっての希望になったことだ。ナラヤン氏は「私たちはデジタルのある世界からデジタルファーストの世界へと移行し、後戻りはできなくなった」と指摘し、「今日、すべてのビジネスがデジタルビジネスでなければならない」と訴えた。
アドビが提供する3つの分野の製品の中でもAdobe Experience Cloudは、あらゆる規模のデジタルビジネスが優れた顧客体験を提供するために不可欠な「Customer Experience Management(CXM)」の実践に求められる機能群を提供する。今回のイベントで、アドビはAdobe Experience Cloudの傘下のアプリケーション製品を「Content & Commerce」「Data Insights & Audiences」「Customer Journey」「Marketing Workflow」の4つのカテゴリーで再整理した。重要なのは、各アプリケーション製品がAdobe Experience Platformという共通プラットフォームで稼働するものとして設計されている点だ。Adobe Experience Platformは各アプリケーション製品に統一的な顧客プロファイル、継続的なインテリジェンス、そしてオープンで拡張可能なアーキテクチャーを提供する。今回のSummitは、パッケージングを見直したものや買収したものを含め、いくつかの新しいアプリケーションのお披露目の場となった。
アドビが考える今日のデジタル経済における成功要因は、パーソナライズされた体験を提供し、顧客エンゲージメントに基づく関係性を維持することにある。そのためには仕組みの再構築が不可欠だ。それも一度作って終わりではなく、継続的な改善を伴うジャーニーになるであろう。CXMの実践ではテクノロジーだけでなく、それを使いこなす人材のスキルをプロセスに落とし込むことも必要だ。「テクノロジーを活用する人材育成や新しいプロセスの定着では、CMOとCIOの間に強力なパートナーシップが求められる」とナラヤン氏は強調した。