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Citrixが買収したWrike 今までのプロジェクト管理ツールとはココが違う

Wrike Japan 松葉知則氏インタビュー

 多くの企業にリモートワークへの対応が迫られる中、チームメンバーが分散していても、パフォーマンスを最大限発揮できるような環境構築を模索している。古くからあるプロジェクト管理ツールはその選択肢の一つだ。今、この分野はSaaSモデルの採用で大きく様変わりしている。注目企業の1社であるWrikeは、全世界2万社以上が導入しているという。2021年1月にはCitrix Systemsが22億5,000万ドルで買収したことでも話題を呼んだ。同社の何が支持を集めているのか。日本法人の識者に訊いた。

タスクの管理が基本

――最初に会社概要についての紹介からお願いします。

 私たちは「ワークマネジメント」の会社です。プロジェクトマネジメントはワークマネジメントの中に含まれると考えていて、プロジェクトの範囲を越えて仕事で必要なこと全てを扱う会社と自分たちを定義しています。会社としてはAndrew Filev(創業者 兼 CEO)が2006年に設立し、グローバルでは社員数が1000人を超えるまでに成長しました。一方、日本市場への進出は2019年4月に東京をオフィス開設した時からで、日本法人の社員数も6名から現在は20名を超えたところです。最新動向としては2021年1月にCitrix Systems(以下、Citrix)がWrikeを買収し、グループ会社の一つになりました。現在は組織の統合を進めている最中です。

Wrike Japan 株式会社 ソリューション・アーキテクト(コンサルタント)兼ビジネスディベロップメント担当(営業) 松葉知則氏

Wrike Japan 株式会社
ソリューション・アーキテクト(コンサルタント)兼ビジネスディベロップメント担当(営業)
松葉知則氏

――Citrixとの買収後の戦略は明確になってからに伺うとして、そのワークマネジメントとプロジェクト管理は何が違うのでしょうか。

 仕事は1人では完結できません。周囲の人たちと調整をしながら進めるコラボレーションを伴うものです。特に2010年以降のコラボレーティブな製品需要が高まる中、シリコンバレーの会社の働き方を熟知していた創業者は、当初から「Collaborative Work Management」という設計思想を重視してきました。この思想が私たちのアイデンティティとなり、以来Wrikeではずっとタスクを仕事の進め方の基本と考えています。

 Wrikeでのタスクはメールのような形式で、「何を」「誰が」「いつまでに」やるかを登録するものです。本文欄には目的や内容などの説明を記載できますが、メールのように関連ファイルを添付することもできます。タスク単位でできることとしては主に3つあります。

  • コミュニケーション
    相手を「@宛先」と指定して、チャット感覚で直接コミュニケーションができる。
  • ビジネス証跡
    説明欄における全ての変更を自動で記録することで、証跡として残すことができる。
  • 構造化
    複数のタスクの関連付けやグルーピングを柔軟にできる。
図1:Wrikeの基本単位は「タスク」 出典:Wrike Japan[クリックして拡大]

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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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