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大手企業の「セールスDX」はまだ第0から1階層 経営と現場を幸せにする「第3階層」への道

 コロナ禍で営業組織の働き方も大きな変化のときを迎えている。機敏に動くのはベンチャー企業や中小企業だ。トップと現場の距離感が近く、即時即応しやすいのが要因だが、大手企業はどうだろうか? 今回は日本の大手企業における「セールスDX」について、NTTコミュニケーションズの徳田泰幸氏と、ジャパン・クラウド・コンサルティングの代表であり小社刊『THE MODEL』の著者でもある福田康隆氏の対談を通じて考えていく(前編)。

営業×テクノロジーを実現するスピードが企業の将来を左右する

宮田華江SalesZine編集長(以下、宮田) コロナ禍でオンライン商談やテレワークが浸透し、営業における取り組みにも大きく変化が起きています。一方で、営業×テクノロジー事例の多くはベンチャー企業や中小企業が中心で、大手企業の事例はまだ多くないように思えます。

 今回は、NTTコミュニケーションズの徳田氏と、ジャパン・クラウド・コンサルティング福田氏との対談を通して、大手企業の「セールスDX」を営業×IT部門、ひいては組織横断で行っていくために必要な視点や考え方を探っていきたいと思います。ITリーダー向けのメディアEnterpriseZine編集長の押久保剛も交えての座談会とし、SalesZine、EnterprizeZineへの両方に掲載します。徳田さん、福田さん、まずは自己紹介をお願いできますでしょうか。

 
左から押久保、福田氏、徳田氏、宮田

NTTコミュニケーションズ ビジネスソリューション本部 Data.Camp, General Manager 徳田泰幸氏(以下、徳田氏) よろしくお願いいたします。私は2001年に弊社に入社して、その後営業に配属され、大手担当の法人営業を15年間経験しました。今は、営業の事業戦略と人事戦略の担当をしています。2019年5月には「Data.Camp」という新組織を立ち上げ、大手法人向け営業全体のイネーブルメントやマーケティングを任されています。

ジャパン・クラウド・コンピューティング/ジャパン・クラウド・コンサルティング 代表取締役社長 福田康隆氏(以下、福田氏) よろしくお願いいたします。私は1996年に日本オラクルに新卒で入社し、2014年にマルケトの日本法人 代表取締役社長を経て、現在は外資系SaaSベンダーの日本進出を支援するジャパンクラウドの代表を務めています。

押久保剛統括編集長 兼 EnterpriseZine編集長(以下、押久保) よろしくお願いします。さっそくですが、宮田が話したように営業職にも大きな変化が起きているかと思います。現状について、おふたりのお考えをまずはお聞かせください。

徳田氏 日本の商慣習と言うのでしょうか、これまでの「感覚的」で「属人的」な営業手法による成功体験が多いことで、次の時代へ移行しづらいと感じています。打破するために、弊社ではAIを活用した営業アドバイザー機能を推進しています。これについては後ほど少し事例を話せたらと思っています。

福田氏 私が日本オラクルに入社した90年代ごろ、日本にERPは「合わない」「向かない」と言われ続けていましたが、現在、日本の大手企業のほとんどがSAPをはじめとするERPを導入しています。同じように宮田さんのお話しされた「営業×テクノロジー」が日本の大手企業に浸透するのも時間の問題かと思いますが、その導入までの時間の長さ、短さでその企業の将来が大きく変わるのではないかと考えています。

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「DX」を単なるバズワードと捉えてはいけない 

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この記事の著者

中村 祐介(ナカムラ ユウスケ)

株式会社エヌプラス代表取締役デジタル領域のビジネス開発とコミュニケーションプランニング、コンサルテーション、メディア開発が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実施...

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