SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

DX先進国で注目を集める「カンバセーショナルAI」 日本市場へ参入するグローバルベンダーの狙いとは

Kore.aiに日本とグローバルにおける現況を訊ねる

 「カンバセーショナルAI」(Conversational Artificial Intelligence)という名前を聞いたことある人もいるかもしれない。コロナ禍でDX推進が叫ばれる中で、既に北米を中心としたグローバル企業でカンバセーショナルAIの導入が進んでいるという。一方で、チャットボットを導入している企業も多い日本市場においても、カンバセーショナルAIは浸透するのだろうか。そこで、グローバルでカンバセーショナルAIを活用したソリューションを展開するKore.aiを訪ねた。

DX先進国で注目を集める「カンバセーショナルAI」

 デジタル化による業務改善などを目的にして、AIを活用した新しい取り組みに挑戦する企業が増えている。日本でもコロナ禍になってから民間企業だけでなく地方自治体などでも導入されており、一定の効果を挙げているという報告も聞くようになった。AI-OCRやチャットボットなどが定着している一方で、数年程前から耳にするようになった「カンバセーショナルAI」(対話型AI)については、よくわからないという人も多いのではないだろうか。一方で、DX先進国といわれているアメリカをはじめ、グローバルではカンバセーショナルAIを活用する企業が増えていると語るのは、Kore.ai Japanで副社長 兼 営業統括を務めている角田晴雄氏だ。

角田 晴雄氏

角田 晴雄(かくた はるお)氏
Kore.ai Japan 副社長 兼 営業統括
富士通に入社後、官公庁の営業を担当。独立し健康食品の会社を設立後、Appleでマーケティング、教育市場向け営業、日本HP、日本IBMで通信業向け営業、EMC、マカフィーで、製造業・流通業・サービス業向け営業の責任者を担当。また、2019年から、オートメーション・エニウェアにて、エンタープライズの営業の責任者を経て Kore.ai の日本法人の立ち上げに参画。日本における営業全体を統括。対話型AIによるDX推進を支援。

玉城 久頌氏

玉城 久頌(たまき ひさよし)氏
Kore.ai Japan ソリューションズエンジニアリング本部 ディレクター
日本ヒューレット・パッカード入社後、セキュリティ部門においてR&Dおよびプリセールスを担当。その後、北米に移住しIIJ Americaでクラウド、セキュリティ、テレフォニー事業を統括。日本に帰国後オートメーション・エニウェアを経て Kore.ai の日本法人の立ち上げに参画。日本・アジア太平洋地域のソリューションズエンジニアリング部門を統括。対話型AIによるコンタクトセンター改革、顧客体験、従業員体験の向上を推進。

 そもそも、カンバセーショナルAIとはどのようなものなのか。厳密な定義は企業によって揺れる部分もあるとしながら、「人とAIが対話することで疑問点を解消したり、やりたかったことを代行してくれたりするようなソリューションです」と説明する。こうした、人の意図を認識するための手段といえば、機械学習をベースにしてトレーニングデータを学習させるものも多く、日本でも多くの企業から提供されてきた。

 とはいえ、チャットボットとは開発目的が大きく異なることも特徴の1つだという。多くのカンバセーショナルAIは、“DXを支援するためのツール”として開発されており、欧米企業の多くが、DXにおけるビジネスパフォーマンスを向上させるためのツールとして導入を進めているという。

 ここに自然言語処理のエンジンを組み合わせることで精度を高め、アメリカ市場を中心に展開を続けているのがKore.aiである。2014年に米フロリダに設立されたエンタープライズ向けのバーチャルアシスタントプラットフォームなどを提供している企業であり、2020年10月に日本法人が設立されている。同社では、カンバセーショナルAI構築のためのプラットフォーム上に業態業種別のトレーニング済みのAIを実装し、ソリューションとして提供しているという。

[画像クリックで拡大]

 たとえば、銀行業における複雑な業務をAIが音声で代理応答できるものであったり、社内の業務支援として各部門から問い合わせの多い部分をAIが受け持てたりするようなものがあるという。また、最近よく見かけるようになった、AIがチャットや音声を受けて、複雑なトラブルシューティングの場合にオペレーターへとつなぐような仕組みに関しても、「SmartAssist」サービスとして日本でも提供している。

 とはいえ、日本ではカンバセーショナルAIの導入は進んでいないのが現状だ。そこには、DXの遅れが顕著に表れているとして角田氏は、「欧米と比べると日本企業のCIOやCOOの方が率先してDXを進められておらず、DXについて話を聞いていても多くの企業で『まだこれからどうするか悩んでいる』という回答が返ってきます。一方、欧米企業ではいち早くSaaSの活用がはじまるなど、競合他社に対する優位性を少しでも確保するために新たなソリューションを率先して採用する動きも加速しており、カンバセーショナルAIの導入も進んでいます」と指摘する。コロナ禍より前に導入に踏み切っている企業も多く、既に一定の成果をあげている企業も少なくないという。

次のページ
チャットボットに溢れかえる日本市場でも商機

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/15097 2021/10/29 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング