NTTデータとSAPアジア・パシフィック・ジャパン(APJ)は、サプライチェーン保険管理を強化するパッケージ化された新たなソリューション「Connected Product」を発表した。
Connected Productは、輸送中の貨物の位置と輸送状態を監視するソリューションだ。特にソーラーパネルなどの壊れやすいもの、ワインやオリーブオイルなどバルク輸送の液体、チーズ、医薬品またワクチンなどの温湿度管理が必要な品物の追跡に有効で、サプライチェーン全体を可視化し、貨物の破損や遅延にも対応可能だという。その結果、従来の貨物保険への加入や保険金の請求など手続きの負荷を軽減し、貨物の期限内での輸送を支援するとしている。
また、輸送状況をリアルタイムにエンド・ツー・エンドで監視し、貨物に影響を及ぼす可能性がある変動要因を捉え、貨物が事前に定められた条件で輸送されていない場合は、自動的に保険ポリシーの適用対象となるという。加えて、すべての出荷および保険に関する書類をデジタル化することで、サプライチェーン全体にわたるトラッキングと保険の一連の手続きを簡素化。保険会社・保険再販者・物流会社といったエコシステム全体のコスト削減になるとのこと。
現在、日本・ドイツ・スペインのNTTデータとSAPは、スペインの物流会社やドイツの保険会社と共同で、同ソリューションを活用した実証実験を実施中だ。20社の荷主およびヨーロッパ・アジア間を輸送するコンテナを実験対象として、IoTセンサーによって収集したデータをもとに、貨物に重要な条件である温度・光度・衝撃(値)などが、輸送中に維持されていることを確認しているという。なお、実証実験は9月まで実施。その後、NTTデータによって国際的な保険・物流会社向けに実ビジネスへの適用を予定だとしている。
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