アドビは、同社が主導するコンテンツ認証イニシアチブ(Content Authenticity Initiative:以下、CAI)と、カメラメーカーの1社であるニコンとのパートナーシップを発表した。
今回の発表によれば、来歴記録機能を特別に組み込んだニコンの最先端ミラーレスカメラ「Z 9」をAdobe MAX 2022にて参考展示するという。この機能は、フォトグラファーやクリエイターが、いつどこでどのように撮影されたかを含む、画像の来歴情報を、撮影時に写真に添付できるようになるという。
これにより、デジタル作品の信頼性の確立が期待されるだけでなく、利用者が出所や編集履歴を特定できるようにすることで、デジタルコンテンツのライフサイクルの過程で混入しうる誤った情報や虚偽の情報の拡散を防ぐことを目的としているとのことだ。
アドビのエグゼクティブバイスプレジデントのダナ・ラオ氏は、次のように述べている。
「ニコンは真のグローバルブランドとして、現代における最も重要な瞬間を捉えることができるよう、フォトグラファーたちを支えてきました。コンテンツ認証イニシアチブとニコンのパートナーシップにより、世界中のユーザーが撮影の瞬間に写真に来歴情報を添付できるようになり、カメラからクラウドにいたるまで写真の真正性を担保できるようになります。デジタルコンテンツへの信頼を回復するというコンテンツ認証イニシアチブの取り組みに、ニコンの協力を得られたことを嬉しく思っています」
なお、このコンテンツ認証イニシアチブはアドビが主導し、800以上のパートナー企業・団体がデジタルコンテンツの来歴に関するオープンソースの業界標準を確立し、オンラインコンテンツの信頼性を高めるために活動しているという。
今回の発表を受けて、ニコンのエグゼクティブ フェロー映像事業部開発統括部長である村上直之氏は、次のように述べている。
「ニコンは、画像の改ざんや不正利用による不利益から映像産業に携わる個人や企業、ひいては社会全体を守ることは、世界的な課題であると考えています。映像産業を活動の場とする企業として、この問題に対する職業的・社会的責任を果たすべく最大限の努力を行っています」
【関連記事】
・アドビ、MicrosoftやGoogleをわたり歩いた及川卓也氏の顧問就任を発表
・日本におけるデジタル課題、アドビが経済・デジタルトラスト・人材の3方針で支援を表明
・三菱UFJトラスト投資工学研究所、「Adobe PDF Extract API」導入で業務効率化