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【竹中工務店 岩下氏×CIO Lounge 矢島氏】建設業の第4次産業革命をめざす

ウイングアーク1st主催:「updataDX22」レポート #01


「建設業の労働生産性は低く、いまだに第2次産業革命の段階にとどまっている」。こう語るのは竹中工務店の執行役員デジタル室長 岩下敬三氏。R&D部門から情報システム部門を歴任し長年デジタル変革に取り組んできた岩下氏は「まちづくりのDX」を掲げ、業界全体のデジタル変革に取り組んでいる。ウイングアーク1stが主催した「updataDX22」での、同氏とCIO Lounge 矢島 孝應氏との対談の内容をお届けする。

(写真左)
株式会社竹中工務店 デジタル室
執行役員デジタル室長、博士(工学)
岩下 敬三 氏

1986年に大学を修了後、株式会社竹中工務店に入社。その後、研究開発部門、経営企画部門を経て、技術戦略部門技術企画部長を担当。2017年にグループICT推進室長、2022年に執行役員デジタル室長に就任、現在に至る。

(写真右)
NPO法人CIO Lounge 理事長
矢島 孝應 氏

1979年松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社。三洋電機株式会社を経て2013年1月にヤンマー株式会社に入社。その間、アメリカ松下電器5年、松下電器系合弁会社取締役3年、三洋電機株式会社執行役員、関係会社社長3年を経験。ヤンマー株式会社入社後、執行役員ビジネスシステム部長就任。2018年6月に取締役就任。 2020年5月退任。 現在NPO法人CIO Lounge理事長。2021年5月よりウイングアーク1st株式会社社外取締役に就任。

セッションはCIO Lounge 理事長の矢島孝應氏による竹中工務店の岩下敬三氏へのインタビュー形式で進められた。

建設業界の課題

CIO Lounge 矢島孝應氏(以下、矢島):はじめに建設業界の課題をお聞かせください。

竹中工務店 岩下敬三氏(以下、岩下):業界全体としての課題は多くあります。まず建築現場の生産性の課題です。設計から生産準備までの内勤業務はある程度効率化が進んでいますが、建設技能労働者の方々の作業はあまり改革が進んでいません。建設業の生産性は20年前ではほぼ製造業と同じだったのですが、今となってはおよそ半分。加えて、建設技能労働者が2017年から2025年、10年間で約2/3になってしまうという状況の中、2024年4月から建設業にも、改正労働基準法の5年間の猶予がなくなり年間総労働時間の上限規制が適用されます。確実に手を打たなければいけないという状況です。

updataDX22での公開済プレゼン資料より
updataDX22での公開済プレゼン資料より [画像クリックで拡大]

矢島:まさに想像通りですね。私が以前働いていたヤンマーでも、農業の高齢化が非常に大きな問題です。労働の生産性の問題に加えて、CO2の削減など、ありとあらゆる課題が浮上する中で、ITとデジタルを活用が必要です。岩下さんは、現在のテクノロジーの可能性をどのように見ておられますか。

岩下:技術本部の時代から、世界のデジタル化の大きな流れを見てきました。2010年代半ばから第4次産業革命という言葉が出てきて、これは大きな動きだと感じていました。建築の世界もこの変革の波に乗りたい。そのためにも、デジタルツインを実現するというのがテーマです。コンピューター関連技術の飛躍的な進歩が背景にあります。私が入社して数値解析していた頃に使っていたワークステーションのCPU性能に比べて、最新のiPhoneの性能で言うと、およそ100万倍になります。こうした技術の進歩を建築の世界に取り組みたいと思っています。しかしながら、建設業では内勤の業務にはコンピュータは使われているものの、最後の施工の段階は、まだ第2次産業革命の段階だと思っています。これを少なくとも第3次、そして第4次にもっていく必要があります。

updataDX22での公開済プレゼン資料より
updataDX22での公開済プレゼン資料より [画像クリックで拡大]

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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