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EY Japan、損害車リユース事業者の環境価値定量化を支援 新車と再生車のCO2差も見える化

 EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)は、事故や災害などにより損壊した車両の買い取りやリユース・リサイクルなどを手掛けるタウ社の事業が創出する、環境価値・社会価値の定量化について支援を行ったと発表した。

 タウ社は「価値があるのに見捨てられているクルマを買い取り、必要とされる場所で活かしたい」を理念に創業。日本国内の交通事故や災害などにより損壊した車両(損害車)を損害状況に応じた最適な利用方法を判定し、リユース・リサイクルする「カー・トリアージ」が基幹事業だ。

 またタウ社は、カー・トリアージによって損害車の修復や部品・素材の再利用を促進することにより、CO2を大量に排出する新車の製造や部品・素材の新規生産の削減を掲げている。

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 EYSCは今回、タウ社の本事業がCO2排出にもたらす影響を定量化するため、ライフサイクルアセスメントモデルを構築し、本事業の上流・下流を含めたライフサイクルでのCO2排出削減への貢献度定量化を今回行ったという。

 またタウ社のステークホルダーに環境貢献度を理解しやすくするため、結果の見える化を目的に、指標となる乗用車1台分の数値を新車ではなく再生車に変更した場合、平均的にどの程度のCO2削減を実現しているかを試算。

 今回のプロジェクトでは、統計学・計量経済学の研究経験を持つメンバーを有するEYSCのデータサイエンスチームの支援により、タウ社の損害車主要輸出先であるモルディブを対象に、損害車輸出による失業率の改善度合い、一人あたりGDPの増加幅を定量評価を行った。

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 各国の失業率やGDP、およびタウ社の損害車輸出量は、様々な要因が相互に影響しあって変化するため、一般的な集計のみでは正確に定量評価を行うことは困難だったという。しかし本プロジェクトでは計量経済学の手法を用いることにより、信頼性のある社会価値の定量化を行うことに成功したとしている。

 今回の発表にあたり、両社のコメントは以下の通り。

タウ社 代表取締役社長 宮本明岳氏

 「当社は創業から26年間、「世界最大の総合リサイクル商社」を目指し、損害車の循環型ビジネスを推進してまいりました。今回の共同研究では、損害車のリユース・リサイクルが及ぼすCO2排出削減効果や新興国における社会価値が定量化されました。この研究成果に基づき、1台でも多くの損害車が適切な処理がなされる世界を目指し、21世紀の産業廃棄物を22世紀の資源とするべく、カーボンニュートラルに貢献して参ります」

EYSC データサイエンスリーダー アソシエートパートナー 小林元氏

 「近年、サステナビリティ関連の情報開示が進んでいる中で、その効果を定量的に評価する取り組みは依然として十分に進んでいるとは言い難い状態が続いています。今回の支援では、タウ社とEYSCのデータサイエンスユニットが協力することで、社内外のデータを活用した高度なアナリティクスにより環境価値・社会価値といった非財務的な企業価値の定量的な評価を実現することにつながりました。今後も弊社のデータサイエンスの知見を生かし、同社のさらなる発展へ向けた支援を続けてまいります」

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