AIブームはいつから? 今は第3次AIブームの最中
まずは、AIの歴史を振り返ってみましょう。
AIに対する注目が最初に高まったのは1960年代のことです。「ELIZA」という対話型AIを搭載したコンピューターなどが開発され、第1次AIブームが到来しました。次にAIが注目されたのは1980年代。第2次AIブームと言われるこの時代には、専門性の高い領域に特化したAIが登場しました。
そして、2000年から現在まで続いているものが第3次AIブームです。機械学習の登場によってディープラーニングの仕組みが確立され、文字や画像、音声を認識して活用するサービスが普及しました。そして、学習済みデータからコンテンツなどを生成する「ChatGPT」が一般公開されたことを皮切りに、画像生成AIや動画生成AIなどが次々と登場したことによって“生成AI(Generative AI)”が大きな注目を集めていると著者は言います。
ChatGPTは今までのAIとどう違うのか
生成AIの代表格であるChatGPTについて見ていきましょう。同サービスをはじめ、DALL·EやWhisperなどは、AIの開発・研究を行うOpenAIが生み出した生成AIです。
2018年にGPT、2019年にGPT-2が発表されましたが、GPT-2は悪用を防ぐ観点からフルスペック版は非公開になっていました。2020年にはGPT-3を発表し、段階的に登録ユーザーの試用が可能になると、2022年11月にGPT3.5を使ったChatGPTが一般公開され、公開からわずか5日で登録ユーザー100万人を突破。約2ヵ月経った頃には1億人を超えていました。そして、2023年3月には、より精度を高めたGPT-4が一般公開されています。
なぜこれほどまでにChatGPTは注目されているのでしょうか。白辺氏は、「どんな質問に対してもその場で情報をつなぎ合わせ、文章自体を新しく作っていく」(『生成AI 社会を激変させるAIの想像力』39ページより引用)ことが今までのAIとの大きな違いだと指摘します。また、高精度なプログラムを書ける機能も備わっており、実用的だと評価しています。