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ChatGPT APIはどう使う? 何ができる? 4ステップで使い方がスグにわかる!


 ChatGPT APIにより、さまざまなアプリケーションにChatGPTを実装できるようになりました。本稿では、便利な「ChatGPT API」をどう使うのか、何に使えるのかを解説します。

ChatGPT APIとは? 使い方やできることを解説

 ChatGPTは、高度なAI技術で人間のように自然な会話ができるAI会話アプリです。革新的なサービスとして注目を集め、公開後2ヵ月でアクティブユーザーは世界で1億人を超えました。さらに、2023年3月に公開されたのが「ChatGPT API」です。これにより、さまざまなアプリケーションにChatGPTを実装できるようになりました。

 しかし、ChatGPT APIとは何かよくわからない人も多いかもしれません。本稿では、ChatGPT APIの概要や始め方のほか、何ができるかについて詳しく解説します。

ChatGPTとChatGPT APIの違い

 ChatGPTとChatGPT APIの違いはどこにあるのでしょうか。まずは、ChatGPTとChatGPT APIそれぞれの特徴についてご紹介します。

ChatGPTは「AIチャット」

 ChatGPTは、OpenAIが開発した自然言語処理を行うAIチャットのことです。質問を投げかけると自然な文章で回答があり、まるで人間と話しているように会話できることが特徴です。また、文章の翻訳や要約、議事録の作成など、さまざまな用途に活用できることから注目を集めています。

 ChatGPTは、ブラウザやアプリでの利用が一般的です。最初にアカウントを作成する必要はありますが、その後は公式サイトやアプリで質問を入力・送信するだけで、手軽に利用できます。しかしこの場合、ブラウザ・アプリ内での利用にとどまり、企業のソフトウェアやサービスとの連携はできません。なお、ChatGPTの使い方の詳細については下記の記事をご覧ください。

ChatGPT APIは「インターフェース」

 ChatGPT APIを利用することで、ChatGPTの機能を自社のアプリケーションと連携することが可能です。API(Application Programming Interface)とは、アプリケーションをつなぐためのインターフェースのこと。APIが公開されると、他のアプリケーションとの窓口ができ、連携ができる状態になります。

 ChatGPT APIを利用すると、自社に特化したチャットシステムや自動マニュアル作成システムなどを手軽に構築でき、業務の効率化が期待できます。また、アクセス制限などによりセキュリティを強化できることから、機密情報であっても安心して入力・活用できることもメリットです。

ChatGPT APIで何ができる?

 ChatGPT APIでは、下記のような機能が活用できます。

  • 文章作成・要約・添削
  • 会議の文字起こし、議事録作成
  • 言語翻訳
  • プログラミングコード作成
  • チャットボットシステム・会話型エージェントの開発
  • デバッグの検証、仕様書の確認
  • 仕様書から顧客向けマニュアル作成

 これらは、ChatGPTのブラウザやアプリでも活用できる機能です。つまり、ChatGPTで利用できる機能を、そのまま自社のアプリケーションに取り込むことができるということです。

 API連携でChatGPTを活用する仕組みは、とてもシンプル。ChatGPT APIと連携後、ソフトウェアからChatGPTにプロンプト(ChatGPTへの指示)を送り、ChatGPTで生成されたテキストをソフトウェアに送り返してもらうだけです。これにより、上記の機能を活用できます。

 また、アプリケーション上で、ChatGPTを専門分野に特化させたり、応答をカスタマイズしたりすることもできるため、自社の目的に合わせた活用ができるでしょう。なお、OpenAIの公式サイトでも活用例を紹介しています

ChatGPT APIを利用するメリット

 ChatGPT APIを利用するメリットは、大きく分けて「UXの向上」と「開発の効率化」の2つです。それぞれについて、具体的にご紹介しましょう。

UXの向上

 ChatGPT APIを活用することで、UX(ユーザーエクスペリエンス)向上が期待できます。特に、カスタマーサポートのチャットボットで利用すると効果的でしょう。

 チャットボットとは、顧客が24時間365日いつでも問い合わせ、リアルタイムで回答を得られる機能です。しかし、従来のチャットボットはあらかじめ決められた応答しかできず、複雑な質問に対しては顧客が満足する応答ができません。そのため結局、電話で問い合わせ、オペレーターが対応するケースが多くありました。

 ChatGPTと連携すると、顧客のニーズに合わせて応答を変化させたり、自社でカスタマイズした応答で返信させることが可能です。また、自然な会話ができることから、人間と会話しているような体験ができるだけでなく、チャットボットのみでリアルタイムに疑問を解消することができます。

 顧客向けだけでなく、自社の社員を対象にしたチャットサービスを開始し、業務効率アップを図る例も増えています。

開発の効率化

 従来、自社のアプリケーションにAIを搭載する際は、AIを開発する必要がありました。ChatGPT APIを利用することで、AIを開発する必要がなく、効率的にシステム開発が可能です。

 さらに、ChatGPTには既に膨大な情報が蓄積されているため、AIにいちから学習させる必要もありません。システム開発にかかる工数を大幅に短縮でき、短期間での開発が期待できるでしょう。

ChatGPT APIの始め方

 ChatGPT APIは、どのように利用したらいいのでしょうか。ここからは実際に、ChatGPT APIを利用する際の手順を、ステップごとに解説します。

1. アカウントを開設する

 ChatGPTのアカウントを開設していない場合、まずはアカウントを開設します。

 OpenAI公式サイト画面中央の「Get started」または画面右上の「Sign up」をクリックします(ChatGPTのアカウントが既にある場合はサイトにアクセスし、画面右上の「Log in」からログインします)。

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 次に、フォームにメールアドレスを入力します。このとき、GoogleやMicrosoftのアカウント、Apple IDでの登録も可能です。

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 画面に従って、氏名や生年月日、電話番号などの必要情報を入力し、最後に携帯電話でSMS認証をしたらアカウントの開設は完了です。

2. ChatGPT APIのAPIキー(secret key)を取得する

 サイトにログインしたら、「ChatGPT」「DALL・E」「API」を選択する画面になるので、「API」をクリック。開いた画面で右上のアカウントアイコンをクリックし、「View API keys」をクリックします。

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 次に、「+Create new secret key」をクリックします。

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 任意の名前を入力し、「Create secret key」をクリックします。

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 発行されたSecret key(APIキー)をコピーして、すぐに保管します。APIキーは一度だけしか表示されず、後からコピーできません。APIキーは公開したり、他の人と共有したりしないようにしましょう。

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3. クレジットカードを登録する

 クレジットカードの登録をしなければ、API連携をしてもChatGPTを利用できません(無料で利用できるのは、アカウント開設後3ヵ月まで)。そのため、クレジットカードの登録が必要です。

 まず、右上のアカウントアイコンをクリックし、「Manage account」をクリックします。

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 次に、左のメニューバーの「Billing」をクリックし、開いた画面中央の「Set up paid account」をクリックします。

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 個人で利用する場合は「I'm an individual」、企業で利用する場合は「I'm working on behalf of a company」をクリックします。

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 クレジットカードの登録画面で必要情報を入力して「Set up payment method」をクリックしたら、登録完了です。

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4. キーを使ってAPIを呼び出す

 最後にAPIキーを使って、連携するアプリケーションからAPIを呼び出します。アプリケーションによってAPIを呼び出す方法は異なるため、アプリケーション側の操作方法を確認してください。

ChatGPT APIの料金

 ChatGPTは無料または定額で利用できますが、ChatGPT APIは使用したトークン(言葉の数)に応じて課金される従量課金制です。

 利用するAIモデルによって料金は異なりますが、GPT-3.5 Turboでは、入力(質問)で1,000トークンあたり$0.0015、出力(回答)で$0.002です。英語では1つの単語で1トークンとされる一方、日本語ではひらがな1文字で1トークンとは限らず、英語に比べて課金体系が複雑なので注意が必要です。

ChatGPT APIの料金(2023年8月時点)
モデル 入力(質問) 出力(回答)
ChatGPT API(体験版) 無料($5分無料、有効期限3ヵ月)
ChatGPT API(GPT-3.5 Turbo) $0.0015/1,000トークン $0.002/1,000トークン
ChatGPT API(GPT-4) $0.03/1,000トークン $0.06/1,000トークン

 また、入力(質問)と出力(回答)ともに課金されるだけでなく、過去のやりとりを踏まえた回答を必要とする場合は、過去分も課金対象になります。安価と思っていても、積み重なると高額になることがあるので注意してください。

 なお、ChatGPT APIでは、アカウントの利用開始直後は「体験版」となり、$5分の無料クレジットが付与されています。有効期限の3ヵ月以内であれば、$5分までは無料で利用可能です。なお、料金については、OpenAIの公式サイトでも確認できます。

ChatGPT APIでアプリケーションをブラッシュアップ

 ChatGPTの公開から、ChatGPT APIのリリースが待ち望まれていました。ChatGPT APIを利用することで、自社のアプリケーションで文章作成や自動翻訳といったChatGPTの機能の実装が可能です。

 過去の質問も課金対象だったり、日本語の利用の場合は料金体系が複雑だったりと注意点もありますが、ChatGPT APIを利用して、自社のアプリケーションをブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

エンタープライズIT研究所(エンタープライズアイティーケンキュウジョ)

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