日々高度化するサイバー攻撃や脅威から、国や企業を守るのは容易ではなく、他国や他社で発生したインシデントや対策などの事例を参考にして対策を練ることも大切です。一方で、自社のセキュリティに関するノウハウを明かすことは手の内を明かすことと同じであり、リスクをともなうため、そういった事例を公表する組織はごくわずかです。しかし、日本を代表する大企業でそれを実践したのが、年間売上約13兆円、グループ社員約33万人を有する、日本電信電話株式会社(以下、NTT)グループCISOである横浜信一氏。そこで、今回ご紹介する書籍は『サイバーセキュリティ戦記 - NTTグループの取組みと精鋭たちの挑戦』(横浜信一著、リックテレコム)です。横浜氏は、NTTのセキュリティに対する取り組みが、他企業や産業界にとって参考になるのであればと、筆を執ったそうです。ここでは、本書の一部を紐解いていきます。
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