アドビは、全国のビジネスパーソン1,050名(営業、広報・宣伝、法務、情報システム、総務・人事、経理・財務、経営・経営企画からなる計7つの職種)を対象に実施した「ビジネスパーソンの環境貢献意識」についての調査結果を発表した。
自身が勤めている会社が「環境貢献できている」と感じているビジネスパーソンは、全体の37%程度
はじめに、自身が勤めている会社が環境貢献できていると感じるかどうかを尋ねたところ、「できている」と回答したのはビジネスパーソン全体の37.1%となった。各社様々な形で環境問題についての発信が続けられているが、実際に働く中で環境貢献ができていることを実感しているビジネスパーソンは全体の4割を満たしていないことがわかったという。
ビジネスパーソン自身が貢献できていると思う環境活動のトップは「ペーパーレス」
続いて、ビジネスパーソン自身が「貢献できていると思う環境活動」について尋ねたところ、半数以上の55.8%が「ペーパーレス」と回答。ペーパーレスはビジネスパーソンにとって、最も取り掛かりやすい環境活動であることがわかる。
業務内で意識的に減らしている紙資料は、「打ち合わせ資料」が最多。次いで「社内の提出書類」「業務マニュアル」の順に
ペーパーレスの内容を見ると、意識的に紙出力を減らしている資料は、上から順に「打ち合わせ資料(49.3%)」「掲示物や報告書など組織内の提出資料(40.6%)」「業務マニュアル(30.3%)」と続いた。
「紙のほうが丁寧だから」という理由で、資料を紙で出力した経験があるビジネスパーソンは全体の約6割
また、「紙のほうが丁寧だからという理由で資料を紙で出力した経験」について尋ねてみると、「ある」と回答したのは全体の約6割に及んだ。環境への意識とは裏腹に、人とのつながりや作法を重んじて紙出力をした経験のあるビジネスパーソンが多いことが明らかになったという。
法務担当の環境貢献意識:環境貢献活動における法務担当の苦労していること1位は「契約書などの紙資料が減らない」
法務担当(150名)に、環境貢献活動における法務担当の苦労している点を尋ねたところ、「契約書などの紙資料が減らない」が45.3%で、他の回答から20ポイントの差をつけてトップとなった。公的な文書を残すために、まだまだ紙資料の存在は必要なものだと考えられているようだとしている。
続いて、電子契約・電子サインの導入について尋ねたところ、「紙資源を削減することに貢献できると感じる」という回答が過半数に。電子契約・電子サインの導入には様々なメリットがある中、現場で働く法務担当者の間では、環境貢献に寄与する一面にも魅力を感じていることが明らかになったという。
経理・財務担当の環境貢献意識:経理・財務担当の過半数がペーパーレス化の進行に賛成
経理・財務担当(150名)に、経理業務におけるペーパーレス化を進行したいと思うかどうかの意向について尋ねたところ、過半数が「そう思う」と回答。その理由として「書類の保管場所が少なくて済むから」や「紙出力にかかる費用がもったいないと感じるから」など、半数以上から紙出力によるコストに関する理由が挙げられた。
次に、請求書などの経理業務のペーパーレス化に関して困っていることを尋ねると、「社内での紙依存意識が強い(文化・慣例が残っているなど)」が最多で3割超となった。経理・財務担当者を困らせているのは、システム面などでの課題以上に、会社における文化面での課題のほうが大きい傾向が明らかになったという。
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