情報通信研究機構(以下、NICT)サイバーセキュリティネクサスは、Web媒介型サイバー攻撃の実態把握と対策技術向上のためのユーザー参加型プロジェクト「WarpDrive」の大型アップデートを行い、アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」の世界に没入しながらセキュリティの知識を習得できるゲーム機能を開発したと発表した。新しいタチコマ・セキュリティ・エージェントは、10月16日からWarpDriveポータルサイトで無償ダウンロード可能となっている。
NICTでは、悪性のWebサイトを閲覧するだけでマルウェアに感染するWeb媒介型サイバー攻撃の実態把握と対策技術向上のため、WarpDriveを推進。攻殻機動隊 SAC_2045とタイアップすることで、PC向けにタチコマ・セキュリティ・エージェント(以下、タチコマSA)、Androidスマートフォン向けにタチコマ・セキュリティ・エージェント・モバイル(以下、タチコマ・モバイル)を無償配布し、参加ユーザーのWebアクセスの観測、分析、警告などを行ってきたという。
今回のWarpDriveの大型アップデートでは、Androidスマートフォン向けのタチコマ・モバイルに、ユーザーが攻殻機動隊 SAC_2045シリーズの世界に没入し、遊びながら現実社会のセキュリティやITの知識を学べるゲーム機能「訓練プログラム」を追加した。
ゲームの中でユーザーは、公安9課(通称:攻殻機動隊)の新人捜査員となり、訓練プログラムを受ける。訓練では、各種コースでタチコマを操作しながら、セキュリティやITにまつわる3択クイズを解いていき、コースをクリアすると、作中に登場するキャラクターのメダルを獲得できるという。すべてのメダルを集めるためにコースを周回するうちに、セキュリティやITの知識が身に付いていくとしている。
訓練プログラムのほかに、タチコマ・モバイルには以下の機能が実装されている。多数の参加ユーザーがWarpDriveと悪性サイトの情報を共有することによって、プロジェクト全体の観測・分析能力が向上し、それぞれのユーザーにおけるスマートフォンのセキュリティを高めることができるという。
- タチコマに報告:疑わしいサイトやSMSメッセージ、スパムメールなどを報告する機能
- プロファイル:スマートフォンの利用状況を確認する機能
- 過去のお知らせ:WarpDriveプロジェクトからの過去のお知らせを表示する機能
- コレクション:訓練プログラムで収集したメダルなどを確認する機能
- アンケート:タチコマが時折、セキュリティに対する意識などの質問をする機能
- 悪性サイト検出(自動):独自のブロックリストで悪性サイトへのアクセスを検出して注意喚起する機能
- 悪性サイト予測(自動):悪性サイトにたどり着く可能性の高いワードを検索した際に注意喚起する機能
- セキュリティレポート(自動):悪性サイト検出・予測の結果を月に1回ユーザーに報告する機能
WarpDriveは、タチコマSAとタチコマ・モバイルの継続的なアップデートを行うことで、多くの参加ユーザーを募り、Web媒介型サイバー攻撃の実態解明や対策展開を進め、Web空間の安全性向上を目指す。今後の主なアップデート予定は以下のとおり(12月下旬予定)。
タチコマSA
- ゲーム機能:訓練プログラム追加
- コンタクト機能:WarpDrive運営とのコンタクト機能追加
タチコマ・モバイル
- ローカルスキャン機能:スマートフォン周辺の調査機能追加
- マテリアライズ機能:ゲームのポイントを使ったコレクションデータ獲得機能追加
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