SAPジャパンは、顧客がクラウドテクノロジーの利点を活用するための新しいサービスを発表した。概要は以下のとおり。
「SAP S/4HANA Cloud, private edition」の最新リリースを提供開始
SAP S/4HANA Cloud, private editionの最新版「2023リリース」は、「SAP ERP Central Component」の全機能を提供するだけでなく、財務、製造、保全、サプライヤーを単一のクラウドプラットフォームに統合し、最新のアーキテクチャに基づく業務部門向けアプリケーションを提供。また、リリースサイクルが2年となり、イノベーションと機能拡張が通常6ヵ月ごとに提供され、保守期間も5年から7年に延長したという。
RISE with SAPの新しい「プレミアム・プラス・パッケージ」を提供開始
RISE with SAPを利用する顧客は、ビジネスプロセス全体でAIの効果を最大化するためのツールを追加した新しいプレミアム・プラス・パッケージを含め、自社のビジネス成果に最適なパッケージを選択可能。同パッケージでは、以下のことが実現可能だとしている。
- カーボンやその他のリソースをコア・ビジネス・プロセスに組み込み、バリューチェーン全体でデータを計算・共有。環境・社会・ガバナンス(ESG)報告基準に対応することで、サステナビリティに関するインサイトを提供
- AIコパイロット「Joule」により、ERPのための新しいAI機能を追加。複数のシステムからデータをソートし、文脈化することで、インサイトを表面化する
- プランニング業務を合理化し、財務および非財務ビジネスユニットのデータによる予測精度を向上。請求書管理と現金回収プロセスを強化するソリューションを活用することで、財務リーダーの意思決定を支援
- サプライヤーポータルを備えたネットワークERPを構築。サプライヤーネットワークとの連携や調達・請求取引の自動化により、支出コンプライアンスを簡素化する
顧客のクラウド移行へのジャーニーを支援
クラウドへの移行を支援するため、RISE with SAPへのコンバージョン&モダナイゼーションプログラムを立ち上げ、ツール、専門家によるサービスを提供。プログラムには以下が含まれるという。
- RISE with SAPの導入フレームワークによるコンバージョン計画の立案と、「SAP Signavio Process Insights」によるビジネスケースの構築を行う
- SAP S/4HANA Cloudへの移行方法を評価するために、専任のSAPエキスパートによる1対1のセッションを提供する「SAP Customer Evolution kit」を提供
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