NTTデータと日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は12月、保険業界における従業員の生産性向上をAI活用によって実現するための協業に合意した。両社は、仮想知的デジタル・ワーカー「デジタル従業員」の共同開発、戦略的販売モデルの提供および共同マーケティング活動などを通じて、新しいデジタルアセットベースビジネスの共創を進めていくという。
同取り組みでは、従業員の意図を理解して代わりに業務を実行してくれる同僚のような仮想知的労働者として、保険の営業職員向けデジタル従業員ソリューションを展開。デジタル従業員は「IBM watsonx Orchestrate」を含む基盤モデルおよびAI技術を活用して、従業員と会話しながら業務の目的に応じて多様なツールから最適なものを選択し、従業員の代わりに業務を自動的に実行するとしている。具体的に目指しているデジタル従業員の機能は、以下のとおり。
- 標準的な保険商品や事務手続きに加え、個社に特化した情報も人に代わって機械学習できる
- 優れた営業プロセスをモデル化した上でサジェストし、ユーザーの行動変容を促すことができる
- 短期記憶により直前の指示を踏まえて、ユーザーの性格など個人の特性に合わせたサジェスチョンができる
両社は今後、ソリューション開発を進め、2023年度中に保険会社での試験導入を計画。2024年度以降に日本の生損保会社への実導入を目指すという。
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