ガートナージャパン(以下、Gartner)は、デジタルトランスフォーメーションを真の意味で成功させるには業務改革の取り組みから始めることが重要であるとの見解を発表した。
同社の調査では、世界の経営者が最大の関心を寄せているのは自らのビジネスをいかに成長させるかであることが明らかになったという。自社のビジネス成長を実現するには、競争力のあるビジネス価値をタイムリーに顧客に提供してビジネス価値を認めてもらい、顧客に選んでもらう必要があるとしている。
デジタルトランスフォーメーションの実現を目指して、推進に当たる役員や組織を持つ企業が増加している。一方で、競争力のあるビジネス価値を創出する抜本的なトランスフォーメーションに成功すると考える企業の割合は依然として少ないとのこと。Gartnerは、その主要な原因として、以前からの属人的な業務の継続や縦割り型組織による連携の不足にあるとみている。
Gartnerは、変化に敏感で必要な対処を施してきた企業では、デジタルテクノロジーを活用し、効果的なビジネス価値の創出と顧客への提供を行うようになるとみている。一方、大きな変化に対処しきれず、競合他社から後れを取った企業は、現行業務の再現では不十分で、さらなる投資が必要であると気づいた時点で、既に追随不可能といえるほどの大差がついているとした。
同社は、2027年にかけて、現行業務を再現するだけのIT投資の90%は、迫り来る変化に対応できず、市場競争力を失う主因となると予測している。
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