ガートナージャパン(以下、Gartner) は、国内のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の取り組みに関する調査結果を発表した。
同社は2023年5月に、国内企業のITシステムの構築/導入/保守/運用および、サービス委託先の選定に関与している担当者を対象に調査を実施。同調査で、予め8つの分野を提示してDXの取り組み状況を尋ねたところ、最も高い割合の取り組みは「既存ビジネスのコスト削減やオペレーションの効率化」(79.3%)、次いで「データやITインフラ等の基盤の整備」(73.3%) であった。また、既存ビジネスの改善だけでなく、「新規事業等の新しい価値提案の創出」を目的としたDXに取り組む企業は60%を超えたという。
DXの8つの取り組み分野ごとに主導する組織について尋ねたところ、「データやITインフラ等の基盤の整備」を筆頭に「既存ビジネスのコスト削減やオペレーションの効率化」など、5つの項目でIT部門が主導している割合が高くなった。同社はIT部門が主導する分野が多かった1つの要因として、既存や新規ビジネスに関連するデータやITインフラ等の基盤の整備の必要性が増してきた点を挙げている。
また同調査では、DXの取り組みにおける内製/外製の状況について、DXに関連するシステムの企画、設計・開発・実装、実装後のシステムの運用・管理・保守の3つの工程で尋ねている。その結果、各工程で、大部分を社内のリソースで対応できている企業は全体の20~30%であった。一方、程度に関係なく社外のリソースを活用している企業の割合は、各工程で60%以上だったという。
同社はこの結果を踏まえ、上流の企画工程では社外の知見や新たなアイデアを取り入れ、デジタル・ビジネスを進めようとする企業の意図を指摘。一方で、システムの設計、開発、実装以降の工程では、社外の人材リソース/ITベンダーに頼らざるを得ない側面もあるとみている。
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