イオンリテールは5月7日、 日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)と開発した、過去の販売データに基づきAIが適切な値引き率を提示する「AIカカク」の適用を、既に実装している惣菜部門と日配品の一部に加え、5月8日より畜産部門に、5月22日より水産部門に拡大すると発表した。また、客数と商品の需要予測をもとにAIが最適な発注数を提示するシステム「AIオーダー」の適用を、6月から新たな日配品(漬物やチルド飲料、チーズ、ハムなど)およびデリカの冷総菜やサラダへと拡大する。
2021年5月にAIカカクを適用開始し、データに裏付けされた売り切り価格で販売することで、導入前と比べ、ロス率が1割以上低減しているほか、値引きや売り切り業務に関わる店舗スタッフの教育時間も低減しているという。今回の適用範囲の拡大にあたり、イオンリテールは日本IBMのデータ・サイエンティストとともに、部門ごとの販売特性や値引きによる売れ方の変化などを分析し、店舗特性も考慮したうえで、予測と売価最適化モデルに様々なチューニングを実施。また、2023年に導入されたAIオーダーでは、発注にかかる時間が半減され、入荷整理や品出し、在庫管理、値引き、発注修正など店舗商品管理における業務負荷が減り、生産性向上につながるなどの成果が確認できたため、今回、適用範囲を拡大することになったとしている。
なお、AIカカクとAIオーダーの開発は、日本IBMのデータ・サイエンティストとコンサルタントが、AIなどを活用した予測モデルや最適化モデルの構築、システム構築を支援したという。
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