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Data Tech 2024 レポート(AD)

縦割り組織が抱える「サイロ化」を解消へ──後回しにしてきたマスターデータ管理で“足場を固める”

データは“生き物”。ツール導入後の組織体制・継続運用が分岐点に

部門横断のCoE設立で、マスターデータの“門番”になる

 一方Whoについては、MDMのプロジェクト体制の構築や、それを遂行する人材の選出がポイントとなる。一般的なMDMプロジェクトの体制は、システムの設計・構築を担当する情報システム部門や外部のSIerに加えて、システムのユーザーである各業務部門の担当者も交えて構成される。業務において必要とされるマスターデータや、それに関わる業務プロセスは各部門ごとに異なるため、担当者間の合議によって部門間の利害調整を行うためにこうした体制が組まれることが多い。

 しかし小島氏によれば、こうしたプロジェクト体制は実際には利害の調整に手間取り、たびたび暗礁に乗り上げてしまうことが多いという。

 「各部門はそれぞれ自部門のシステムやプロセスを念頭にマスターデータについて考えるので、部門間の意見の相違を調停するのはそう容易くありません。またこうした調整作業はシステム構築時だけでなく、運用を開始した後も続きます。マスターデータベースの管理対象データは時間とともに増えていきますから、部門から要求されるままにデータを登録していけば、MDMはあっという間にぐちゃぐちゃになってしまいます」

 そこで同氏が推奨するのが、MDMの活動に特化したCoE(Center of Excellence)組織を設ける方法だ。各部門から「この人が自部門のデータについて最も詳しく、データの流れや目的を最も良く理解している」という人材を集め、CoEで部門間のデータに関する利害調整を集中的に行う。これによってMDMプロジェクトをスムーズに進行させるとともに、CoEでの検討内容をそれぞれの部門に持ち帰って現場にフィードバックしてもらうことで、「この人が同意した内容なのであれば、大丈夫だろう」という空気を醸成し、MDMに対する現場の同意や協力も得やすくなる。

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 またCoEの活動はシステムの構築時だけでなく、運用を始めた後も極めて重要だという。

 「CoEがデータ項目の定義や調整などを一括して担い、マスターデータの『門番』としての役割を果たすことで、MDMが陳腐化することなく継続的に機能するようになります。弊社のお客さまの中には、マスターデータを基にしたワークフローの設計や実装もCoEが行うことで、MDM運用の内製化を実現されている例もあります」(小島氏)

複数社に点在していた情報をMDMで集約

 Stibo Systemsは1976年にデンマークで設立されたMDMソリューション専業ベンダーで、これまで世界中で750社以上の企業のMDMの取り組みを支援してきたという。

 その中には日本国内の大手企業も数多く含まれており、たとえば国内建材製造大手企業の事例では、複数のグループ企業にまたがる膨大な商品情報の一元管理や、紙ベースのカタログのデジタル化などを目指してStibo SystemsのMDMソリューションを導入。その結果、同社は精度が高い商品情報を多種多様なチャネルを通じてタイムリーに市場に提供できる「商品情報戦略プラットフォーム」を構築し、商品情報の完全性や一貫性、正確性などを向上させるとともに、その活用の幅も広げることができるようになった

 米国の大手食品メーカーの事例では、長年グループ企業やブランド、国・地域ごとに個別に製品情報システムを構築・運用してきたため、情報のサイロ化とそれにともなうブランド戦略の混乱という課題を抱えていたという。そこでStibo SystemsのMDMソリューションを導入し、グローバルで全ブランドの製品情報を一元管理できる仕組みを構築したことで、すべてのマーケティングチャネルを通じて統一したブランドイメージを効果的に打ち出せるようになった。

 ヨーロッパの大手決済サービス事業者の事例でも、Stibo Systemsのソリューションを採用したことでMDMの導入メリットを享受できたという。同社はM&Aや企業統合を積極的に行ってきた結果、機能が重複する多数のシステムとそれらが管理するデータが社内に乱立する事態となり、データガバナンスが十分に機能しない状態に陥っていた。そこでStibo SystemsのマルチドメインMDMを導入し、SAP ERPの基幹システムと連携させることでデータのガバナンスと透明性を確保するとともに、システムを横断してデータを分析できるようになったことで新たなインサイトも見出せるようにもなったという。

 「これらの企業は、MDM導入の目的を予め明確化した上でプロジェクトに臨んだことで、大きな導入効果を得ています。本日はそのほかにもMDM導入における様々なポイントを紹介しましたが、これらが『DXの最初の一歩』たるMDMに皆さまが取り組む際の一助となれば幸いです」(小島氏)

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マスターデータ管理、SAP ERPとの連携、データ品質の向上ならびに管理工数の削減といった課題をお持ちではないでしょうか。ぜひStibo Systems公式サイトより、お気軽にご相談ください。

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Stibo Systems株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://enterprisezine.jp/article/detail/20908 2024/12/23 10:00

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