1,500超の事例からひも解くデータマネジメント「4つの軸」 効果的なAI活用のカギは
“AI戦国時代”に勝利をつかむには? 「高品質なデータ」を整備する手法を明かす

AI導入が加速する中、その効果を最大限に引き出すためには、“高品質なデータ”が不可欠だ。EnterpriseZine編集部が2024年11月21日に開催した「Data Tech 2024」では、NTTデータ バリュー・エンジニアの沖崎太郎氏が、「時はまさにAI戦国時代。勝利をつかむためのデータマネジメント戦略」と題して講演。AI活用におけるデータ品質の重要性と、それを実現するためのデータマネジメント活動について解説した。
AI導入の需要増加の裏にある、データ整備の課題
1997年の創業から、データマネジメント事業を一貫して手がけているNTTデータ バリュー・エンジニア。同社はシステム開発を行わず、データのみに着目し、組織のデータマネジメントの支援を実施。案件数は、1,500を超えているという。
「データに関わる領域を主戦場として取り組み、データマネジメントの普及・教育を推進する、さまざまな取り組みを計画しています」と語るのは、同社 データマネジメント事業本部 シニアエキスパートの沖崎太郎氏だ。

沖崎氏は講演冒頭、昨今の企業におけるAIの取り組み状況と、そこから見えてきた課題を説明した。IPA(情報処理推進機構)の調査によれば、AIの導入を検討している企業は増加傾向にあり、特に従業員数1,000人以上の企業では、87%が導入の検討に着手している。1,000人以下の企業も、半数以上が検討を始めているという。これらの数字から、AI活用は単なるブームでとどまらず、着々と社会に浸透しはじめていることが見てとれる。
一方、導入が進んだことで課題も見えてきた。同調査によると、「有効な学習データを保管、蓄積していない」(26.6%)、「学習データの整備が困難」(19.5%)など、データにまつわる課題が一定数見受けられる。また、生成AIを活用する際の課題に、データ品質を挙げる企業が30%存在し、データの整備・品質に関わるキーワードも課題の上位となった。まさにAI活用においては、“データが重要である”ことが数字としても表れている。
そして、生成AIを活用するための代表的な手法に「RAG」がある。RAGの精度を向上させるためにも、データがクレンジングされていること、構造化されていること、図表がテキスト化されていること、メタデータや要約、文脈などが付与されていること、QA形式で整備されていることなどが必要だ。
「これらを満たす、高品質なデータをいかに整備できるか。これがAI活用にとって重要な要素と考えられます」(沖崎氏)
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:株式会社NTTデータ バリューエンジニア
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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