ピアワーカー・プラットフォーム──人間＋AIエージェントによる新しい働き方
さらに山根氏は、「ピアワーカー・プラットフォーム（PWP）」という独自AIツール群について紹介した。このプラットフォームには、人間社員と連携して業務遂行を支援する「PWPバディ」と呼ばれるAIエージェント機能が含まれている。既に2万7000人以上の社員がこのプラットフォーム上で3300種類以上ものカスタムアプリケーションを作成・共有しており、生産性向上だけでなくイノベーション促進にも寄与している。
PWPバディ同士も相互対話できる仕組みになっており、それぞれ異なる社員との連携状況や過去経験から得られた知見なども共有されている。「ヒューマン＋PWPワーカー」という新しい働き方モデルとして、人間社員とAIエージェントとの協働による成果最大化が目指されている。
テクノロジー・アーキテクト──DXからAIXへの推進者
最後に山根氏は、「テクノロジー・アーキテクト」の重要性について強調した。テクノロジー・アーキテクトは、複数のAIエージェントと人間が協働する環境において、それぞれの能力を最大限に引き出し、全体のパフォーマンスを最適化する「指揮者」のような存在が不可欠となる。この職種はDXからAIXへの移行プロセス設計・実装において中心的役割を果たす存在だ。彼らはセンター・オブ・エクセレンス（COE）チームと連携し、新しいソリューション開発や展開支援だけでなく、人材育成にも関与している。
アクセンチュアではこの職種への採用と育成投資を加速させており、新しい時代に対応できる専門家集団として位置付けている。「10%程度」の割合で存在するこの専門家層こそがDXからAIXへの飛躍的進化を支える鍵だと言える。
アクセンチュアは生成AIによって経営レベルから現場まで包括的な変革モデルを構築している。その取り組みは単なる技術導入ではなく、人間との協働による価値創出、新しい働き方モデル、および経営意思決定プロセス全体への影響力拡大へと広範囲にわたる。同社自身もこれらツール群やコンセプトによって自社変革を進めつつ、多くの企業パートナーへその成果を提供していくという。
