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情シスのPC選定、AI時代にどう変わる? ITジャーナリストが指南、価格と性能以上に必要な視点とは

Windows 10のサポート終了、働き方の多様化……従業員に喜ばれるPCの要件とは

もはや「AI PC」は当たり前に、情シスが見るべきポイントは……

 今回、谷川氏に試用してもらった「HP EliteBook 1040 G11」は、日本HP社が展開するノートPCの中でハイエンドモデルにあたる機種だ。

メモリは最大32GB、SSD(NVMe)は256/512GBから選択可能
メモリは最大32GB、SSD(NVMe)は256/512GBから選択可能
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 持ち運びだけでなく、作業もしやすい14インチのディスプレイを備えているだけでなく、「インテル Core Ultra 5プロセッサー」「インテル Core Ultra 7プロセッサー」を搭載。インテル Core Ultra プロセッサーは、AI専用プロセッサー「NPU」も採用しているため、まさにAI時代に相応しい「AI PC」と呼ぶことのできる最新モデルだ。

 スタイリッシュな外観は使い手を選ばず、ビジネスシーンにも違和感なく溶け込む意匠になっている。「薄すぎず、厚すぎず、ちょうど良いキーストローク。ディスプレイも見やすく、まさに“最新鋭のPC”という感じですね。普段、オンラインで取材をする場合もあるのですが、カメラとマイクの性能も良い。オンライン会議が当たり前になった今こそ、より快適に使えることは大切です」と谷川氏。内蔵カメラには、高解像度の5メガピクセルMIPIカメラが採用されており、前述したNPUを用いた「Windows スタジオ エフェクト」を利用しているため、自動で追尾してくれたり、背景をぼかしてくれたりとAIが調整してくれる。

天面には、90%リサイクルされた素材を使用。キートップの50%は、廃棄されたDVDが用いられているなど、サステナビリティに配慮した設計だ
天面には、90%リサイクルされた素材を使用。キートップの50%は、廃棄されたDVDが用いられているなど、サステナビリティに配慮した設計だ
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 マイクには「Poly Studio」のオーディオチューニングを採用。サイレンや話し声など、背景のノイズ音を除去したり、高品質な音声収録に最適な「スタジオモード」が用意されていたりと別でマイクを用意せずとも十分な音声品質を担保できる

 また、OSとしてはWindows 11を選択することになるが、ここで生きてくるのが「Microsoft Copilotキー」の存在だ。キーボード右下に設けられた専用キーを押すだけで、AIアシスタントのMicrosoft Copilotを呼び出せる。谷川氏は「Webブラウザやアプリケーションを立ち上げてプロンプトを書くのではなく、手軽に検索をする感覚で“AIと対話”ができる。当然、生産性向上につながりますし、これからの働き方が変わることも予感させられますね」と話す。

「Poly Studio」によるオーディオチューニングを搭載(写真左)、「Microsoft Copilotキー」によって1タッチでAIアシスタントを呼び出せる(写真右)
「Poly Studio」によるオーディオチューニングを搭載(写真左)、「Microsoft Copilotキー」によって1タッチでAIアシスタントを呼び出せる(写真右)
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 一方、AIを使いこなすようになると同時に、気になるのがセキュリティリスクだろう。働き方や使い方が多様化するほどに、そのリスクは高まっていく。前述したゼロトラストセキュリティはもちろん、企業によっては国際標準である「NIST SP800-171」への準拠を進めている。そうしたとき重要になるのはネットワークだけでなく、エンドポイントとなる端末自体のセキュリティ確保だ。そこで日本HP社が注目するのは、攻撃を検知して復旧するまでの時間を最小化するための「サイバーレジリエンス」。BIOSレベルでの改ざん検知、振る舞い検知による不正サイトやメール添付ファイルからのマルウェア被害の最小化など、検知から復旧にいたる一連のセキュリティ対策を備えることで、NISTのガイドラインに準拠したノートPCを実現しているという。

 加えて、情報システム部門の担当者に嬉しいのは、「インテル vPro プラットフォーム」への対応だろう[注]。これは従来のリモート管理ソフトでは実現できない遠隔管理が可能になるもので、複数台のPCを起動・再起動することはもちろん、リモートデスクトップによるメンテナンス、ログの監査、アップデートの一括管理などに対応できる。たとえば、昨年夏に発生した世界規模のシステム障害では、システムクラッシュとブルースクリーンがあらゆるところで見受けられたが、その際にもインテル vPro プラットフォームによる遠隔対応で迅速に復旧できたという声も少なくない。まさに日夜問い合わせに追われている情報システム部門にとっては欠かせないものだろう。

[注] インテル vPro プラットフォームに準拠したモデルの選択が購入時に必要です

「インテル vPro プラットフォーム」はメンテナンス対応やトラブルシューティングだけでなく、セキュリティ対策においても情報システム部門の強い味方となる
「インテル vPro プラットフォーム」はメンテナンス対応やトラブルシューティングだけでなく、セキュリティ対策においても情報システム部門の強い味方となる
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 また、セキュリティだけでなく、業務効率を向上させることにも寄与するのがMVNO通信サービスの「HP eSIM Connect」だ。これはau回線を利用できるeSIMを搭載することで、LTE/5Gによる通信サービスを利用できるようにするというもの。谷川氏も「今回実機を触る中で、eSIMによる通信サービスは気に入りましたね。仕事柄よく外出するのですが、スマートフォンによるテザリングなしで、スグにどこでも仕事ができるというのは、非常に便利です。情報システム部門にとっては、フリーWi-Fiなどに接続されるリスクを減らすことにもつながり、従業員の利便性も向上する。PCの選定においては、1つのポイントになると思いますね」と太鼓判を押す。なお、HP eSIM Connect対応モデルの機種であれば、購入代金に通信費も含まれているため、5年間は無制限かつ追加料金なしで利用可能だ。

本体側面には各端子を備える。左から「HDMI 2.1」「Thunderbolt 4(2ポート)」「コンボステレオヘッドフォン/マイクジャック」(写真上)、「Nano SIMカードリーダー」「SuperSpeed USB Type-C」「SuperSpeed USB Type-A」「ナノセキュリティロックケーブル用スロット」
本体側面には各端子を備える。左から「HDMI 2.1」「Thunderbolt 4(2ポート)」「コンボステレオヘッドフォン/マイクジャック」(写真上)、「Nano SIMカードリーダー」「SuperSpeed USB Type-C」「SuperSpeed USB Type-A」「ナノセキュリティロックケーブル用スロット」
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 「『AI PC』がスタンダードとして浸透してきた中、メーカーにとっては差別化が難しい時代になってきたと言えるでしょう。裏返せば、情報システム部門にとっても、単にスペックを並べただけでは、最適なPCを選定することは難しい状況です。そこで大切なのは、(自社にとって相応しい)“総合的なバランス”を定めること。たとえば、サポートの体制が十分なのか、環境に配慮したサプライチェーンを有しているのか、価格とスペックだけを重視しない選び方が大切になってきています」(谷川氏)

 前述したような機能性はもちろん、1~2年後を見越しただけのスペックを備えているか、セキュリティ要件は十分か、自社のESG施策に適しているか。まさにAI時代のPC選びは複雑化しており、情報システム部門にはより最適な選定が求められている。そうした中、今回紹介したHP EliteBook 1040 G11のような機種は相応しい選択肢となるだろう。

【PC選定の参考資料】
IT管理者の悩みを軽減へ、マンガで理解する「HPサービス」のポイント

記事の中でも紹介したPC選定のポイントを踏まえながら、情報システム部門やIT管理者の運用負荷の軽減にもつながるのが、日本HP社が提供する「HPサービス」です。たとえば、PCのセットアップやカスタマイズを工場出荷前に代行する「HPのコンフィグレーション&デプロイメントサービス(CDS)」を利用することで、キッティング時の負担を大幅に削減できます。HPサービスの詳細をマンガにまとめた資料を用意しておりますので、ぜひPC選定の参考資料としてご一読ください!

 最後に谷川氏は、「スペックと価格以上の付加価値がどこにあるのか、その選定基準を定めた上で選ぶことが重要です」とアドバイスをくれた。

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