APIでつながる「次期基幹システム」の構想が進行中
サントリーには、日本だけで大小約500のアプリケーションが動いている。インフラ側がクラウドとなったことで、アプリケーションについてもモダナイゼーションしていく必要がある。これに対し、齋藤氏は次のように指摘する。
「インフラ側は、従来は機器を用意しなければいけなかったものがボタンを1個押しただけで増強することができるようになりました。アプリケーションについてもマネージドサービスを活用することで、サービスが拡充するスピードが増すことは間違いありません。そこで今までのやり方に固執せず、新しくできるものはどんどん新しい技術を使おうと。でないと乗り遅れてしまうという危機感が当時は強かったと思います。私はビジネスの現場を支える業務アプリケーションの開発運用を通して、市場変化のスピードを考えると今のやり方を踏襲しているだけではどこかで破綻すると考えていました」(齋藤氏)

アプリケーションのモダナイゼーションによって、ビジネス変化に追従できる仕組み作りが必要だと考えたのだという。現在は基幹システムのモダナイゼーションを進めている。
「クラウドベースの新しいアーキテクチャの基幹システムに作り替え、API連携が可能な基幹システムにする計画です。今後は、新しい顧客向けサービスで基幹システムのデータをつなぎたいといった要望が出てくる可能性もあるでしょう。そういった要望が出てきたとしても対応できるようなシステムとすることを目指しています。こちらは時間をかけながら、2030年頃に完成するものにできればと考えています」(齋藤氏)
ITインフラをモダナイゼーションすることで、様々なビジネス変化に対応できるシステムとアプリケーションへの移行実現を目指している。