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新潟県湯沢町のコンテナ型データセンター「湯沢GXデータセンター」が運転開始 町内では3拠点目

 ゲットワークスとGXテクノロジーは2月20日、新潟県湯沢町にて「湯沢GXデータセンター」の運転開始記念式典を開催した。

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雪が降りしきる中行われたテープカット

(左から)菱洋エレクトロ株式会社 執行役員 事業本部長 辻井幸弘氏、

エレクス株式会社 代表取締役 鈴木良雄氏、

株式会社NTTデータ テクノロジーコンサルティング事業本部 統括部長 渋谷誉人氏、

湯沢町 町長 田村正幸氏、 

株式会社ゲットワークス 代表取締役 中澤秀則氏、

東北電力株式会社 事業創出部門 事業開発ユニット 部長 浜口智洋氏、

Schneider Electric株式会社 セキュアパワー事業部 ソリューション営業本部 本部長 浅田実氏、

スーパーマイクロ株式会社 Country manager James Hsieh氏

 湯沢GXデータセンターは、ゲットワークスが構築したコンテナ型データセンター。同社は2010年からコンテナ型データセンターの設計・開発を開始し、2014年に1棟目が完成してからは、2024年末時点で国内外に約280棟を構築している。湯沢町ではこれまで、2018年7月から町有地を使用した「湯沢データセンター」を、2022年4月から休眠地を活用して「湯沢DXデータセンター」を開設。3拠点目となる「湯沢GXデータセンター」は、2022年10月から操業を開始し、このたび2月20日に運転開始となった。

 生成AIの登場以降、高性能なGPUサーバーの導入が進むデータセンターでは、効率的な冷却設備の整備が急務となっている。従来、冷気を作り出してサーバーを冷やし、サーバーが発した暖かい空気を外に流す「空冷」が主流だったが、冷媒を使ってサーバーを冷やす「液冷」のほうが消費電力を抑えられ、かつ冷却効率が高いため注目されている。しかし、液冷を導入するのは設備の入れ替えだけでなく、水源の確保や導線の整備など、様々な設備が必要で導入ハードルが高い。既存の建屋で導入する場合は個別対応はほぼ不可能で、建屋の大規模な改修もしくは建て替えが必要となる。そこで、必要な分だけ拡張できる柔軟性を強みとするコンテナ単位のデータセンターが脚光を浴びているという。

 式典に登壇した、ゲットワークス 代表取締役 中澤秀則氏はデータセンターの構築場所に湯沢町を選んだ理由として「湯沢町には、冷涼な気候と豊富な水がある。まさに(本日は)大雪の中だが、雪解けして井戸水になることで夏場も安定して水を採取できる。それを使って(コンテナ内の)サーバーを冷やしていく。さらに、立地も新幹線の停車駅から車で10分ほどの場所。こうした条件がそろう場所は日本中を探してもなかなかない。見つけられたことは奇跡」と話す。続けて、今後の展望として「空いている土地や他のところにも拡げていって、湯沢町をAI活用の中心地にしていきたい」と意気込みを語った。

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 ゲットワークスとともに運営を担うGXテクノロジーからは代表取締役 瀧澤泰三氏が登壇。「湯沢GXデータセンターは、その名の通り、資源の活用に注目した次世代のデータセンター。湯沢町には豊富な資源があり、この先につくられるデータセンターの一つの指標になりうるものだ」と強調する。

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 来賓を代表して、湯沢町 町長 田村正幸氏が祝辞を述べた。

 「AIは私たちの生活を大きく変えるテクノロジーだ。それにともなって、電力需要、運用コスト、環境負荷の増加などの問題が顕在化している。問題の解決策の有力な答えが、湯沢GXデータセンターだ。コンテナを用いることで建設コストや運用コストを抑え、自然エネルギーを活用することで電力の消費、環境負荷を低減できる。このシステムこそ、時代にあっている。

 中澤社長からはこの仕組みは『湯沢町の立地と自然環境があってはじめて実現するもの』とうれしい言葉をいただいた。この自然エネルギーを活用したコンテナ型データセンターが町の新たな産業として発展することを願っている」(田村町長)

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 湯沢GXデータセンターには1月に、Supermicro社の液冷サーバーシステムが導入されている。熱を除去する重要なコンポーネントとして機能する液冷クーリングタワー(冷却塔)は、コンテナ内の冷却分配ユニット(CDU)と連動し、CDUから温水を受け取り、熱を大気に放散して冷却し、冷却された水をCDUに戻す役割を担う。これにより、効率的な冷却が可能となる。セル当たり最大1メガワットの冷却機能を持つ。なお、導入にあたっては、Supermicro社の正規代理店の菱洋エレクトロが支援したという。

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Supermicro社の液冷クーリングタワー

 また同日、ゲットワークスとGXテクノロジーの2社と業務提携する東北電力は、「コンテナ型データセンターを活用したGPUクラウドサービス」の提供を開始した。同サービスは、NVIDIAの「NVIDIA HGX H200」による高度な計算力を、生成AIのサービス開発企業や教育・研究機関などにクラウドで提供するもの。コンテナ型データセンターの特長である構築スピードや設計の柔軟性を活かすことで、新たに設備を構築する場合においても、速やかに同サービスを提供できるとしている。クラウドサービスのため、顧客によるサーバー等の運用・メンテナンスも不要だという。

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湯沢GXデータセンターには現在110棟のコンテナがあるという

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小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)

EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。

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