ガートナージャパン(以下、Gartner)は、高度なアナリティクス(AIなど)の導入を妨げる要因として、データの質の低さが2025年を通じて最も頻繁に挙げられる課題の1つであり続けるという見解を発表した。
Gartnerが開催しているガートナー データ&アナリティクスサミットのオープニング基調講演において、データ/アナリティクス(D&A)リーダーがAI活用を効果的に推進するための指針として、相互に関連する3つの取り組みについて解説したという。

ビジネス成果の実現を目指す取り組み
- 信頼モデルを確立する:データドリブンな企業となるためには、信頼できる高品質のデータを用いることが鍵だと同社は述べる。しかし、多くのAIの取り組みは、不十分なデータ品質が原因で成功に至っていないという。信頼モデルは、データの価値とリスクに注目し、リネージ(来歴)とキュレーションに基づいた信頼度を示す
- 生産性向上を収益化に結び付ける:総コスト、複雑さ、リスクに関連する価値と競争上のインパクトを考慮する
- データ/アナリティクスの価値を伝える:データ管理、ガバナンス、変更管理など、すべてのコストを考慮する
データ/アナリティクス能力の向上を目指す取り組み
- モジュール型のオープンなアーキテクチャを構築する:新しい要件やテクノロジーの急速な変化に対応するため、アーキテクチャのコンポーネントを更新またはリプレースする
- データをAI-Readyかつ再利用可能にする:テクノロジースタックから信頼スタックへと移行するため、FinOps、DataOps、PlatformOpsに「信頼」を組み込む
- AIエージェントの可能性を探る:アクティブメタデータを使用するAI-Readyなデータエコシステムにより、変化に適応する動的なエージェントを活用する
行動の変容を目指す取り組み
- 反復可能な習慣を確立する:データとAIリテラシーに重点を置いたトレーニングと教育を優先的に推進する
- 新しい役割とスキルを取り入れる:生成AIの変更管理要件への適応を円滑に進める役割を設置する
- 他のチームと協働する:シームレスな統合を実現するため、セキュリティやソフトウェアエンジニアリングなどの多様なチームと連携する
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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