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ITリーダーは生成AIへの「憧れ症候群」に注意せよ──役割と選択肢が増える中で陥る意思決定の罠とは?

単なる「IT担当者」ではなくなったCIO、“コンポジットモデル”でテクノロジーを組織に実装せよ


CIOは「現実的な野心」を、ストーリーテラーとなって変革を導け

 アップチャーチ氏は、CIOがAIに対する「現実的な野心」を持つことの重要性を強調した。データ管理基盤が整っていない状態で生成AIに飛びつくのではなく、実現可能な目標と実用的なアプローチを策定・遂行していくのが成功へのカギだという。

 必ずしも自前でLLMを構築する必要はなく、外部のサービスを利用したり、既存のプロセスに組み込まれた特定のAIコンポーネントを購入したりするほうが、場合によっては自社に適しているかもしれない。あらゆる選択肢を検討すべきだ。

 最後に、再びEnterpriseZineに質問の機会が与えられた。そこで、「CIOとして今最も解決したい課題は何か」と同氏に尋ねた。

 アップチャーチ氏はただ一言、「人(Human)」だと答えた。その理由として、AIの導入・活用において最も難しいのは技術そのものではなく、チェンジマネジメントと働き方の変革だからだと続けた。

 「AIを例に取ってみましょう。MicrosoftがCopilotを発表しました。統合コミュニケーションプラットフォームの高価なアドオンです。プロバイダーはこの便利なツールをユーザーに提供し、IT部門は社内で従業員に提供できますが、従業員が必ずしもそれを使うとは限りませんよね。使うとしても、ただ検索機能のように使うだけかもしれません。このユーザーの考え方を変えていかなければなりません。いわゆる定着化の問題ですね」(アップチャーチ氏)

 ユーザーが新しいツールに“傾倒”しなければ、どれほど優れた技術でも組織に定着しない。そこで、CIOは単なる技術導入だけでなく、変革の必要性と価値を伝える「ストーリーテラー」としての役割も果たすべきだと、アップチャーチ氏はITリーダーたちに向けたメッセージを述べた。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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