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創業20年を迎えたBoxはなぜ生き残れたのか、アーロン・レヴィCEOに訊ねる

「BoxWorks 2025」現地レポート

 クラウドストレージを提供するBoxは今年、創業20年を迎えた。目まぐるしく変化するテクノロジー業界において、「ECM(エンタープライズコンテンツ管理)」などが鎮座してきた中、同社が目指すのは「ICM(インテリジェントコンテンツ管理プラットフォーム)」を掲げた、次世代のコンテンツ管理だ。Boxの共同創業者で、現在もCEOとして同社を率いるAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏は、「AI時代に向けた素地が整った」という。9月中旬、米カリフォルニア州 レッドウッド・シティにある本社にて、同氏に詳細を訊いた。

20周年を迎えたBox 生き残った理由は「ハイパーフォーカス」

──まずは、Box設立20周年おめでとうございます。

アーロン・レヴィ氏:素晴らしい20年でした。最もエキサイティングなことは、顧客がBoxを使って“変革を進めていく”様子を目の前で見ることができたことです。Boxはクラウドの黎明期に誕生しましたが、そこからAIが台頭する現在まで、多くの企業がテクノロジーを活用しながら働き方を変えています。

──GoogleやMicrosoftのようなプラットフォーマーは、さまざまな業務アプリケーションとクラウドストレージを組み合わせて提供する「バンドル型アプローチ」をとってきました。そうした企業と競合しながらも、独立したクラウドストレージプロバイダーとして生き残ることができた理由をどのように分析していますか。

 Boxが現在も存続している理由は、「超(ハイパー)」が付くレベルでのフォーカスにあります。われわれは競合他社のプロダクトと差別化できる分野・市場において、独自のポジションに「超」集中してきました。

Box 共同創業者兼CEO Aaron Levie氏。2005年、大学在学中にクラウドストレージのアイデアを思いつき中退して起業した。当時は若き天才として注目を集めたが、現在は3児の父になった
Box 共同創業者兼CEO Aaron Levie氏
2005年、大学在学中にクラウドストレージのアイデアを思いつき中退。Boxを起業した。当時は若き天才として注目を集めたが、現在は3児の父になった

 Boxにおける独自のポジションは、企業がもつ「非構造化データ」です。マーケティングアセットや契約書、研究データ、請求書、財務記録といったコンテンツを単に保管する場所ではなく、セキュリティやガバナンスを効かせながら活用できるようにしてきました。

 直近ではAIエージェントを導入することで、文書に関連したワークフローを自動化し、新しい知見を得られるようにすることなどにフォーカスしています。

──今年の「BoxWorks」では、大量のデータから情報を抽出する「Box Extract」など、AI関連の機能が発表されましたね。Boxにおいて、AIが最も活きる領域はどこだと考えますか。

 今年のBoxWorksで発表した新機能の一つが、(Box Appsに追加される)ワークフロー自動化エンジン「Box Automate」です。Box Automateは、Box史上最大の発表といっても過言ではないでしょう。

 Box Automateでは、業務フローの設計にAIエージェントを用いることで、一連のフローにおける各タスクの自動化を支援します。たとえば契約管理や営業業務、請求書処理などの業務フローを自動化できます。ノーコード/ローコードツールによって直感的に業務フローを設計・管理できるだけでなく、「Model Context Protocol(MCP)」をはじめとした、オープンプロトコルもサポートしています。Boxに保管しているコンテンツとAIエージェントで業務フローを設計・管理できるため、現場業務のフローを根本的に変革するものだと捉えています。

 実はBoxにとってBox Automateが提供する機能自体は新しくなく、これまで「Box Relay」として基本的な機能を提供してきました。Box Automateは次世代版にあたり、大きくパワーアップしたものとなります。今後、業務フローの設計・管理ではBox Automateがメインとなるでしょう。

──AIエージェントの登場は、SaaSに大きな影響をもたらすと予想されています。AIエージェントがBoxにもたらす良い影響と悪い影響をどのように分析していますか。

 われわれは主に良い効果に注目しています。AIエージェントをBoxに組み込むことによって、ユーザーの生産性を高めることができ、これまで以上にエキサイティングかつ新しい働き方を実現できるようになるからです。

 現在、多くのビジネスパーソンがPowerPointでのスライド作成に20時間ほどを費やしているというデータもあるようです。しかし、それを見た顧客は、5分後にはアイデアやプランを忘れてしまっているのではないでしょうか。であれば、AIエージェントにPowerPointのスライドを作ってもらい、人間はもっとビジネスの根幹につながること、もっと興味深いことに取り組んだほうが良いでしょう。

 もちろんスライド作成だけでなく、コードを生成したり、調べ物をしたりするという点でも、AIエージェントを活用することで生産性が改善します。

 つまり、AIエージェントはBoxの顧客にとって多くのメリットをもたらすことから、(AIエージェントがもたらす負の影響について)懸念はしていません。むしろ、多数の業務タスクを自動化してくれることでしょう。

──恩恵をもたらしてくれる一方、企業内にあるデータを活用する際には、プライバシーへの懸念もあります。Boxでは、AIを活用したイノベーションと信頼・セキュリティのバランスをどう取っていますか。

 AI時代において、セキュリティや信頼性の重要度はさらに高くなるでしょう。人間の数の100倍ものAIエージェントが存在する世界を想像してみてください。AIエージェントがシステム全体を巡回し、間違った人にデータを漏洩させたり、ファイルから間違った事実を引き出したり、本来見るべきでない人に情報を公開したりと、セキュリティ上の新しい課題が生じることでしょう。

 だからこそ企業は、高度なセキュリティやコンプライアンス、データガバナンスがプラットフォームに組み込まれているベンダーのAIだけを使用すべきです。Boxとしては創業以来、これらの領域にも注力してきました。われわれにとってのAIは、あくまでもBox Platform上に構築される“層”のようなものです。データセキュリティへの取り組みは新しいものではなく、今後もセキュリティを確保するためにできることを重ねていきます。

 たとえば、今年のBoxWorksでは、AIを活用したコンテンツ保護「Box Shield Pro」を発表しました。AIエージェントを活用し、ランサムウェアをはじめとした脅威からコンテンツを保護します。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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https://enterprisezine.jp/article/detail/22812 2025/10/07 08:00

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