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“止められない”システムの運用管理の現場で今求められていることは? 日立製作所「JP1」からひも解く

複雑化する金融システムの課題と対策──4社の視点から “最適解”を探る:日立製作所の視点

オンプレミスとクラウドが混在する今、高可用性をどう担保する?

岡本:JP1は、かなり早くからクラウドに対応されていますね。

高木:JP1はマルチプラットフォーム対応の製品で、AWS(Amazon Web Services)の東京リージョンが稼働した翌年の2012年頃からクラウド環境上での稼働をサポートしています。また2021年には、JP1自体をSaaSサービスとして提供する「JP1 Cloud Service」という商品もリリースしました。

岡本:そうした対応を進めたことで、クラウド環境に構築されたシステムの運用管理もJP1を通じて支援されてきたと思います。クラウドならではのシステム運用管理の難しさをどのように感じられていますか。

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部 編集長 岡本拓也
株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部 編集長 岡本拓也

高木:システム障害が発生した際の対応やシステム復旧において、オンプレミスとは異なる考え方が必要です。意外と多くの方が「クラウド事業者に任せておけば大丈夫」と考えていますが、それだけではオンプレミスと同等のサービスレベルはなかなか達成できません。万が一に備え、オンプレミス環境で多く利用されてきたクラスターソフトウェアをクラウド環境にも導入することで高可用性を担保することも重要です。障害時におけるフェイルオーバーの仕組みを構築することで、「クラウドのメリット」と「オンプレミスと同等の可用性」を同時に手に入れることができます。

岡本:特に金融機関のようにミッションクリティカルシステムを運用している企業では、なおさら高可用性を担保することが大切ですね。ちなみに「クラウド上でJP1を用いてシステム運用管理を行いたい」というニーズは、金融機関にも多いのでしょうか。

高木:はい、多くのお客様から要望をいただいています。JP1は先ほどの通り、クラウド上での動作をサポートしていて多くの実績もあります。ただし金融機関のお客様からは、「オンプレミスと同等の高可用性を担保したい」という声も多くいただきます。特にバッチ処理のジョブ管理を担う「JP1/Automatic Job Management System 3(JP1/AJS3)」については、もしトラブルが発生すると業務全体に極めて大きな影響を及ぼしてしまうため、クラスターソフトウェアと組み合わせて高可用性を担保するケースが非常に多いですね。

「JP1」の安定稼働を守る、クラスターソフトウェア

岡本:実際にJP1のユーザーからは、クラスターソフトウェアと組み合わせたいというニーズは多く上がってきているのでしょうか。

高木:そうですね。JP1には障害発生時の対応を自動化する機能は備わっているのですが、単独で可用性を担保できませんから、高可用性を担保するためにはクラスターソフトウェアと組み合わせることが一般的です。お客様からも、「クラウド上でJP1をクラスターソフトウェアと一緒に動かしたい」という要望を多くいただきます。

岡本:クラスターソフトウェアにはさまざまな製品がありますが、その中でも「LifeKeeper」に関しては、日立製作所がサイオステクノロジーの提供するドキュメントを確認し、実証検証を経て、正式にサポートしていますね。

高木:はい、長きにわたってJP1とLifeKeeperの組み合わせを正式にサポートしています。特にニーズの多いJP1/AJS3の高可用性構成については、サイオステクノロジーからLifeKeeperの「Application Recovery Kits(ARK)」と呼ばれる、組み込み作業が楽になるオプション製品が提供されており、短期間でLifeKeeperによるクラスター構成を組むことができます。もちろん、JP1/AJS3以外のJP1製品についても、数多くの実績があります。

岡本:ミッションクリティカルシステムのクラスター構成には「高い信頼性」が求められるだけに、しっかりと事前検証した上で正常動作を保証している点は、ユーザーにとって安心感がありますね。一方、クラスターソフトウェアのような製品は、万が一のトラブルに備えるための「保険」と捉える経営層も多く、その投資対効果を疑問視する声も聞こえてきます。

高木:たしかにITコストの削減に対するプレッシャーは、業種業界問わずに共通して存在していると思います。しかし、システムトラブル時にすべての対応を人手で行った際の工数は、クラスターソフトウェアの導入コストをはるかに上回ります。もしサービス停止にまで至ってしまうと、ビジネス機会を逸してしまうだけでなく、企業の信頼も失墜しかねません。そうしたリスクまで勘案すると、システムの可用性を担保するためのIT投資の重要性をご理解いただけることでしょう。

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生成AI、オブザーバビリティなども活用して運用高度化へ

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:サイオステクノロジー株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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