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ePublishing Day 2010 セミナーレポート

iPad登場後の出版ビジネスを考える

ITジャーナリスト 林信行


アップルに詳しいジャーナリストの林信行氏は、今セミナーではiPadのエヴァンジェリスト的な役回りになっていたようだ。発売早々に入手したという個人所有のiPadを持参。休憩時間には実機を体験しようと林氏の席の周りを参加者が取り囲むほどだった。すでに米国の出版業界はiPadの可能性を感じ取って具体的に動き出している。林氏はそういった具体的な事例についてデモやムービーを豊富に交えながら、出版業界に与えるiPadの衝撃を熱く語った。

iPadに刺激を受けた出版社

 林氏は冒頭、会場に対して挙手でアンケートを実施。まず、iPadをすでに所有しているひと。これはまだ6人程度だった。続いて、持ってはいないが触ったことはあるひとが会場の半数程度。

 最後にiPadに触れて「何かを感じた」ひと。これもまた会場の半数ほどが挙手。つまり、iPadに触ったひとはほぼ「何かを感じた」ということになる。このようにiPadは触れたひとにインスピレーションを与えるハードウェアだとして、林氏は「2001年宇宙の旅」のモノリスになぞらえた。

 面白いことに、ITとは無関係な分野のひとが「自分も使える」と大きな刺激を受けているという。芸術家は「最高のキャンバスだ」と言っているし、iPadを医療分野に使うセミナーも開かれた。しかし、やはり一番大きな刺激を受けているのが出版関係のようだ。

 たとえば英国Penguin Booksでは、iPadの発売前から「こんなことができるかもしれない」と夢想して「iPad iMagineering」というプロモーション動画を作ってしまった。絵本やマルチキャラクターの小説など、たくさんの可能性が詰め込まれている。

YouTube - iPad iMagineering - Penguin Books - DK

 また、電子教科書のCourseSmart社では、iPad時代の教科書像を「Tablet Concept」として動画を公開している。ここでは講義の内容をPadCasting配信したり、教科書自身がスケジュール帳と連動している。CourseSmart社は、教科書を電子化するために出版大手6社が立ち上げたベンチャーである。

YouTube - CourseSmart Tablet Concept
 

 ほかにも、映画のような文芸雑誌「Vivify」や、アドビとWiredによるインタラクティブ広告の例や、スポーツ雑誌の例が挙げられた。

VIV Mag Interactive Feature Spread - iPad Demo on Vimeo

・YouTube - Adobe and Wired Introduce a New Digital Magazine Experience

・YouTube - Sports Illustrated - Tablet Demo 1.5

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動き出したiPadでの雑誌アプリ

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