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調達部門の働き方を変える“次世代のAriba”、人とAIが協働する調達プロセスの在り方とは?

SAP Connect 2025:現地レポート

契約から支払いまでAIエージェントがサポート

 新しいサプライヤーが決まったら、次は契約のステップに進む。このプロセスでもAIが活躍する。

 たとえば契約管理のプロセスで、AIエージェントからDDP(Delivered Duty Pay:関税込み持込み渡し)条項を追加するよう提案されたとする。しかし、担当者はDDP条項のことをまだよく知らない。そこで、対応前にこの条項がどういうものかを知っておきたいと考える。法務に問い合わせてもよいが、次世代AribaならAIアシスタントの「Joule」に問い合わせることができる。

 Jouleからの回答によって、その地域では過去3ヵ月に締結された契約の7割にこの条項が追加されているとわかった。そして契約書にこの条項を盛り込むことにした際、AribaのパートナーであるIcertis Contract Intelligenceを活用していれば、Aribaの契約管理の環境から、自動的に契約書のドラフトへDDP条項を追加できる。また、署名、契約履行までを一気通貫で進めることも可能だ。

 こうして、新しいサプライヤーから太陽光パネルを調達可能になった。ただし、実際に調達を行うのはカテゴリーマネージャーではなく、現場の施設管理者だ。施設管理者は、自身が必要になったタイミングで太陽光パネルの購入手続きを開始する。

 まず、AIエージェントは施設管理者に対して、設置場所、面積、種類などの購入条件、希望納期のような調達条件を確認するための質問をする。管理者が回答すると、条件に合致した太陽光パネルのリストをAIエージェントが表示する。この時、AIエージェントが提案する商品リストの中には、新しく契約したサプライヤーの商品が含まれている。リストの中から商品を選ぶと、その設置に必要なインバーター、ケーブル、設置サービスなど、その他の品目も提案しカートに追加した。カタログを見て、ああでもない、こうでもないと悩む必要はない。

 最後の支払いにおけるサプライヤーとのやり取りも自動化される。たとえば、新しいサプライヤーが請求書をPDFファイルで送ってきたとする。ところが送られた請求書には、発注番号が記載されていなかった。受け取りを拒否するか、あるいはファイルを差し戻したいところだが、次世代AribaならAIエージェントにフォローを任せることができる。エージェントはPDFファイルから電子請求書を作成し、別のAIエージェントと連携して発注情報と会計情報を入手して、支払い処理を実行するところまでやってくれた。

 調達から支払いまでのプロセスをAIが横断的にサポートする次世代Aribaの提供開始は、2026年2月を予定している。すでにAribaを利用中の場合は、追加費用なしで自動的に次世代Aribaを利用可能だ。

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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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