みんなの銀行は12月18日、メルペイとのBaaS業務提携により、メルカリが提供するフリマアプリ「メルカリ」上でみんなの銀行口座の機能・サービスが利用可能になる「メルカリバンク」の提供を開始した。
株式会社みんなの銀行 取締役頭取 永吉健一氏(右)
同日に開催されたメディア向け説明会に登壇したみんなの銀行 取締役頭取の永吉健一氏は、メルカリバンクについて「みんなの銀行の口座をメルペイとAPI連携することで利用できるサービスの総称」と説明する。メルカリアプリ上でみんなの銀行口座に関する以下の機能が利用可能だとした。
1. メルカリの売上金(メルペイ残高)を即時かつ無料でみんなの銀行普通預金口座に送金
これまでメルカリの売上金(メルペイ残高)を銀行口座に振り込む際には所定の手数料がかかるうえ、振込申請から入金までには最短でも1営業日を要していたが、今回のサービス提供開始により、即時かつ手数料無料で売上金(メルペイ残高)を「みんなの銀行普通預金口座」へ送金できるようになるという。
2. 普通預金残高(口座情報)の確認・口座振替によるメルペイチャージなどの各種支払い
メルカリバンクの預金残高(みんなの銀行普通預金残高)は、メルカリアプリ内の「おさいふ」タブに表示され、いつでも確認可能。また、メルペイへのチャージや「メルカード」「メルカードゴールド」の清算にも利用できるとしている。
3. みんなの銀行が提供する優遇プログラムによるATM出金手数料の優遇
メルカリバンクの利用ユーザーは、みんなの銀行が提供する優遇プログラム「メルカリバンクプログラム」の対象になるという。同プログラムにより、全国のセブン銀行ATMでの出金が毎月1回手数料無料、さらに条件達成で毎月最大3回まで無料になるとしている。
永吉氏は、メルカリバンクの大きな特徴として、ユーザーが金融サービスを利用する際の「フリクション(摩擦)」の解消を強調する。たとえば口座開設プロセスにおいて、2024年7月から導入されている「JPKI(公的個人認証サービス)」を活用し、マイナンバーカードのICチップを読み取ることで、3分程度での口座開設を可能にした。ユーザーはメルカリアプリから離脱することなく、銀行口座の開設からAPI連携までを一気通貫で行える画面遷移を実現している。2027年4月から、日本の金融機関における本人確認手段が原則としてマイナンバーのみとなることを踏まえ、先んじてシームレスな体験を構築したという。
永吉氏は「今までのBaaSサービスにはあまり見られない“なめらかなユーザー導線”を実現できたと感じている」と自信を見せた。
説明会の最後には、メルカリの黒原貴文氏もゲストとして登壇。同氏は、両社がいずれもミッションの中で『価値』というものに軸を置いており、“人々のつなぎ目”として可能性を最大化したいという共通の思いをもっていることに触れつつ、「1年以上の準備期間を経て本日メルカリバンクの提供開始を迎えることができた。メルカリのユーザーにとっては、今まで以上に便利に、そして楽しんで使っていただける体験を準備できたと思っているので、ぜひ使っていただきたい」と述べ、説明会を締めくくった。
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