2025年12月18日、ULSコンサルティングは、ベルーナが自律型AIソフトウェアエンジニア「Devin」を導入したと発表した。
ベルーナの基幹業務システムは長年にわたる改修により内部構造が複雑化し、事業多角化の過程でシステムの数が増え続けていることで保守・運用の負荷が高まっていた。また、一部のシステムではCOBOLなど、技術者を確保することが困難な言語で構築されており、開発体制の維持が難しくなっていたという。こうした状況下、限られた人員でビジネスニーズに対応させていくため、同社はAI駆動開発の導入を検討。ULSコンサルティングがプロジェクトに参加したとのことだ。
ULSコンサルティングはシステムの解析やドキュメントの作成、システム改修の影響範囲の特定、実装・テスト、リファクタリングや性能改善など、業務システムの保守・運用に関する幅広い局面でのDevin活用を提案。ベルーナは本格的な導入に先駆け、2025年10月よりトライアル運用を実施し、特定の業務システムにおける調査や設計書作成の作業時間を約3割削減することに成功したとする。さらに作業の属人性の軽減、品質の平準化といった効果も確認されているとのことだ。このトライアル運用の結果を受け、ベルーナはDevinの活用範囲を拡大していく予定だとする。
ベルーナ 情報システム本部IT企画室室長 関口博之氏のコメント
当社のシステムは、長年の事業拡大を支えてきた一方で、技術的負債や保守の属人化といった課題が顕在化していました。特に、COBOLなどの専門知識を持つ技術者の確保が難しくなる中、限られたリソースでビジネスのスピードに対応できる体制をどう構築するかが最大のテーマでした。今回、Devinという自律型AIエンジニアの導入にあたり、技術検証にとどまらず、当社のシステム構造や開発・保守プロセスを理解した上で、さまざまなユースケースに対し、「Devinの能力を最大限に引き出す最適な活用方法」をご指南いただきました。トライアル運用で工数を29%削減という成果が出たことは、当社の課題解決に向けた大きな一歩だと確信しています。今後は、このAI駆動開発の成功体験を全社に拡大し、システム部門全体で「AIと人が協調する新しい開発スタイル」を確立してまいります。
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