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2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

冨永裕子の「エンタープライズIT」アナリシス

なぜ今日本企業は今、「Infrastructure as Code」(IaC)に舵を切るべきか? ガートナーが明かすインフラ自動化戦略

AIネイティブの前にクラウドネイティブ、リスキリングから始めよ

 では、どこからIaC、Config as Code、Policy as Codeと進めていけばいいのか。「クラウドファーストの環境であることが大前提。そして、IaCに適しているのは変更要求が頻繁に発生する領域」と青山氏は指摘する。前述したB2Cのビジネスでは、消費者のニーズが日々変化するため、サービス機能を支えるインフラを進化させることは必然であった。一度作ったら、5年〜10年も現場を維持する。とにかく変えないことが重要な領域に新しいアプローチを適用することは、ビジネス側も望まない。本当にビジネスに貢献できるかが、プラットフォームエンジニアにも問われているので、いきなりIaCの話にはならない。

 さらにその先には、AIの活用が見えてくる。インフラのセキュリティやコンプライアンスの高度化にAIを使う。「エージェンティックAIのユースケースも出てきたが、玉石混交であり、自分たちでユースケースを精査しなければならない。まず、安全なタスクを特定すること。いきなりマルチエージェントのような夢を見ない。シングルエージェントで何回か試してから、次のステップに進む。そこにIaCは入ってくる」と青山氏はアドバイスした。

 逆に、新しいアプローチに対応する動機を持たない従来型のIT部門はどうなるか。AIネイティブでありたいのならば、クラウドネイティブになっておく。その土台があってこそ、IaCのメリットが得られる。とはいえ、事業側で新しい取り組みが進んでいるものの、IT部門が蚊帳の外になっており、苦しい状況かもしれない。システムごとにインフラ担当が固定されていて、塩漬けの状態を維持せざるを得ない。それではダメだと理解してはいても、変わるには時間がかかる。なぜならば、個人にはリスキリング、組織には運用アウトソーシングの見直しのように、すぐには効果が出ないことを実行しなくてはならないためだ。

 リスキリングの糸口として、青山氏は「AWS、Microsoft Azure、Google Cloudのどれであっても、社内のクラウド環境で採用しているベンダーが提供しているトレーニングコンテンツを基礎から学ぶこと。その他には、外部のコミュニティに参加して、他社の参加者から学ぶこと」を勧めた。ハードウェアコストの削減で成果を出した人がリーダーの組織こそ、新しいテクノロジーを学び続ける姿勢を示し、最初の一歩を踏み出してほしい。

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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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