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freee、横路隆氏がCAIOに就任 AIエージェントによる「まほう経費精算」を提供開始

 フリー(以下、freee)は2月10日、共同創業者である横路隆氏のCAIO(Chief AI Officer)就任にともなう記者発表会を開催。あわせて、freee経費精算のモバイルアプリで利用できる「まほう経費精算」を2月16日より提供開始することも発表した。

 発表会の冒頭、横路氏は昨今のSaaS業界で囁かれる「SaaS is Dead」を引き合いに出した。これは、米Anthropic社が発表した「Claude Cowork」などのAI技術により、これまでSaaSの最大の価値とされてきた「人間にとって使いやすいUI/UX」が、AIによる操作に代替され、価値を喪失するという懸念を指している。横路氏は、経理担当者が手動でフォームに入力する従来の「SoE(System of Engagement)」の価値はAIに代替される可能性があると肯定する一方、AI時代には会計システムが備えるべき要件が「AIを正しく動かせるSoR(System of Record)」へとシフトすると話す。

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フリー株式会社 共同創業者/取締役 CAIO 横路隆氏

[提供:freee]

 この変化に対応するものとして、同社は「まほう経費精算」を発表した。これは、freee経費精算のモバイルアプリで利用できる機能であり、領収書を撮影するだけでAIエージェントが過去のデータから推測し、申請内容を自動生成するものである。これにより面倒な手入力の負担を削減し、即座に経費申請を完了することができるという。開発協力を行った医療法人社 団焔では、これまで一人あたり毎月30分かかっていた現場の申請時間が約2分にまで短縮でき、15分の1の生産性向上が確認されている。経理側の視点では、AIの推測精度の高さによりチェック業務から解放され、スムーズに月初の確認作業を終えられるメリットが示された。

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 しかし、業務の自動化が進む一方で、横路氏は「最後にして最大の課題」として、成果物に対する責任の所在を挙げる。会計や税務といったコンプライアンスが重視される基幹業務において、AIが生成した決算書や申告書に対し、ミスがあった際に「AIがやったからわからない」では通用しない。最終的に責任を負うのは、依然として「人」である。そこでfreeeが打ち出したのが、プロフェッショナルがAIの手綱を握り、「正解」と「責任」を両立させるための経営基幹プラットフォーム「freeeコックピット」という構想である。

 freeeコックピットにおいて、経理のプロフェッショナルは飛行機のパイロットのように、AIエージェントに対して自社の経理規程や個別ルールを「コンテキスト」としてインストールする役割を担う。AIエージェントはそのルールに則って実務を遂行し、ルールから外れる「例外」のみを人に通知して意思決定を仰ぐ仕組みだ。さらに、AIがどのような根拠で処理を行ったかを後から第三者が追跡できる「証跡ログ」を完備することで、税務調査などの際にも人が自信を持って説明責任を果たせる環境を整備するという。

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 この戦略を実現するため、freeeは組織体制を刷新。創業以来CTOを務めてきた横路氏がCAIOに専念し、AIエージェント基盤やAPIの開発を主導するAI initiative体制を構築した。

 今後の展望として横路氏は、スモールビジネスオーナーには煩雑な実務を丸投げできる「freeeオートパイロット」を、バックオフィスのプロフェッショナルにはAIを活用して付加価値の高い経営示唆を提供する「freeeコックピット」を届けていくと締めくくった。

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この記事の著者

小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)

EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。

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