2024年10月31日、フリー(freee)は、フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)のプロダクト対応に関わる記者説明会を開催した。
2024年11月1日より、「フリーランス法」が施行される。これにともない、フリー 髙橋歩氏は「下請法の対象外だから気にしなくてはいい、という考え方は通用しなくなる」と指摘。遵守すべき事項がいくつかあり、再委託も対象となることに留意したいと述べる。実務的には、フリーランス側の従業員の有無を発注時に確認することは煩雑になるため、業務委託期間のみを考慮した対応を考えることになるとも話す。
「業務委託期間が長くなればなるほど、発注者が守らなければならない事項が増えていく」(髙橋氏)
たとえば、口頭での発注が認められなくなるため、紙やメールなどで取引条件を提示する義務は、フリーランス同士の発注においても適用される。違反行為が発覚した場合は、罰則も科せられるため企業にとって対応は欠かせない一方、いまだに認知度が低いとして下図を提示。法人の約半数は新法対応を「する」もしくは「検討中」と回答しているが、準備については「何もしていない」という回答が最多だという。
そこで同社では、「freee 業務委託管理」というプロダクトを提供しており、フリーランスや協力会社を一覧化し、下請法に準じた発注書をワンクリックで作成することが可能だとする。たとえば、取引先から請求書が送付されずに支払い漏れが起きてしまったり、すべての案件を管理するためのコストが膨れ上がったりといった課題を解消できるとして、下図を提示しながら「フリーランス法の各領域をカバーしており、無自覚な法令違反を回避できる」と同社 高澤真之介氏。たとえば、納品物が増えたときにも適切に変更を反映でき、納品日から支払い期日が60日以内になっているのかも確認可能だという。また、ハラスメント相談窓口を別途設けることなく、同プロダクトだけで完結できるとする。
実際にfreee 業務委託管理の利用ユーザーとして、ユーキャンとPXCの2社が登壇。両社とも数十~数百名に発注業務を行っている。PXCでは、2024年1月から対応をはじめており、従来フローを見なおしながら製品選定。一方、ユーキャンでは、2019年から製品利用をしていた中で問題がないことを再確認したと話す。
「新法の概要とあわせて、freee 業務委託管理を利用することを業務委託先にもアナウンスすることで、安心して対応いただけている」(PXC 大邉勇介氏)
「(freee 業務委託管理を既に利用していたため)一部、紙の請求書で取引している方には個別対応を行った」(ユーキャン 増尾崇宏氏)
また、製品利用にともなう利用料については、人的負担やコンプライアンスに関する懸念が解消できるメリットは大きく、業務効率化にもつながるため問題ないとの認識も示された。なお、同製品は月額16,000円から提供される。
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