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EnterpriseZine Press

2030年「情報システム終焉」に備えよ──NTTデータの「AIショアリング×オントロジーAI」戦略

NTTデータ:「Foresight Day 2026」錦織真介氏講演レポート

コスト削減コミット型の運用巻取り──20%削減をNTTデータ責任で保証する

 領域2に対応する「運用巻取り」が他のサービスと一線を画すのは、「20%のコスト削減をNTTデータ側の責任として保証する」という踏み込んだコミットメントにある。

 この背景には、独自の「ベンダースイッチコスト最小化」の仕組みがある。ソースコードから設計書を逆生成する「設計リバースAI」(正答率87%)を活用することで、既存システムの引き継ぎコストを大幅に削減する。L1からL3まで全レイヤをカバーし、低コストかつ高レベルの運用を実現している。

 価格モデルも従来の人月型から「タリフモデル×AI原価低減」へとシフトさせた。売上を維持しながら利益率を高める構造へ移行することで、顧客にとってのコスト削減と自社の収益性を両立させる狙いだ。

 運用実務でのAI活用例も豊富だ。L1監視においては、アラートの自動判定で定型業務の70%を機械処理し、非定型の30%をAIが判定することで、精度99.9%を達成している。現在L2/L3向けには、インシデント対応AI、問い合わせ対応支援AI、環境変更支援AI、レポーティング支援AIの開発を進めている。

 「これまでに15を超えるシステムで運用巻取りを実施し、削減率は20〜60%の範囲で実績が出ています。案件によって幅はありますが、20%については当社がコミットできる水準です」と錦織氏は述べた。

LLMには限界がある──「任せられるAI」を目指してGRAG AIを開発

 [画像クリックで拡大]

 錦織氏は、LLMの本質的な限界をこう指摘する。

 「AI-Shoringでコード生成精度が90%で頭打ちになる。運用巻取りでL3領域の人間的判断に対応できない。共通しているのは、企業固有の知識を扱えず、説明責任を果たせないという点だ」。

 この壁を乗り越えるために開発されたのが先述のGRAG AIだ。GraphRAGとVectorRAGを組み合わせたハイブリッド技術で、情報間の関連性を構造化して保持する。強みは「なぜそうなるのか」という因果関係を理解し、回答の根拠を明示できる点にある。

 講演では、ECシステムの設計書を使ったデモが行われた。「大型セール時の需要急増で、処理フロー全体のどこがボトルネックになるか」という問いへの回答を、LLM+RAGとGRAG AIで比較した。

 LLM+RAGは「認証基盤への負荷集中」という表面的な原因を提示し、サーバー増強(数百万円・数ヵ月)を対策として示した。一方、GRAG AIは因果関係を辿り、特定のAPI処理ステップで負荷が集中する構造的な原因を特定。「対象処理の重点監視と改善」という対策を導き出し、コストは数万円、対応期間は数時間に収まった。

 「現在のLLMは作業の効率化に留まります。AIが自律的に価値を生み出す時代が来るとすれば、そのツールはLLMではない。もっと判断を任せられるAIが必要です」。この言葉がGRAG AI開発の根本にある。

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2030年へのロードマップ──システム領域から事業領域へ

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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...

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