2030年「情報システム終焉」に備えよ──NTTデータの「AIショアリング×オントロジーAI」戦略
NTTデータ:「Foresight Day 2026」錦織真介氏講演レポート
2030年へのロードマップ──システム領域から事業領域へ
4つのソリューションを束ねる形で、錦織氏は3段階のロードマップを示した。
- STEP 1(〜2026年):システム領域の適用。GRAG AIで基本設計・詳細設計を、AI-Shoringで製造から総合試験を、運用巻取りで運用フェーズをカバーする。高度エンジニアリソースをSTEP 2領域へシフトさせることが狙いだ。
- STEP 2(〜2027年):お客様領域への適用。システム領域で培ったオントロジーAIのノウハウを、需要予測・予防保全・個別最適化といった事業領域に展開する。たとえば需要予測では、LLM+RAGが「暑い→売れる」という相関関係で予測するのに対し、GRAG AIは「猛暑継続→まとめ買い→短期需要先食い」「健康懸念→低カロリー飲料へのシフト」という因果連鎖を考慮した予測を行う。
- STEP 3(〜2030年):AIが自律的に価値を産む。オントロジー基盤が顧客事業の差別化を強力にサポートし、状況によってはAIが自律的に動ける状態を目指す。
「システム領域と事業領域に共通する壁は、『なぜ』が説明できないという点です。システム領域で意味理解のノウハウを徹底的に磨くことが、ビジネス領域への展開の前提になります」と錦織氏は語った。
NTTデータは現在、2ヵ月ごとに新ソリューションを評価し、有望なものだけを生き残らせる「弱肉強食モデル」でサービスを開発している。AI技術の進化速度に合わせたアジャイルな体制だ。
錦織氏はこう締めくくった。「最適なAI活用の答えは外にはない。御社の中にある。AI時代に勝てる構造を、一緒に見極めたい」。
4領域への分類とそれぞれへのアプローチ、そして2030年に向けた段階的なロードマップ。NTTデータが描くAI経営への道筋は、「今すぐできること」と「将来目指すべき姿」を明確に切り分けた実践的な提言だった。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...
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