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キーパーソンに聞くエンタープライズ・アジャイルの現在

なぜ、今アジャイルが再び注目されるのか?

株式会社チェンジビジョン代表取締役社長 平鍋健児氏インタビュー(1)


最近、メディアなどを含めて再び話題に上がる機会が増えてきたアジャイル開発。日本における普及は実際に進んでいるのでしょうか? 長年、国内のアジャイルを牽引してきた平鍋健児氏に現状を伺いました。

平鍋氏
平鍋 健児氏

株式会社チェンジビジョン代表取締役社長。株式会社永和システムマネジメント副社長。3次元CAD、リアルタイムシステム、UMLエディタastah*(旧JUDE)の開発等、20年以上のオブジェクト指向ソフトウェア開発経験、うち10年のアジャイル開発経験をもち、開発現場をより生産的に、協調的に、創造的に、そしてなにより、楽しく変えたいと考えているコンサルタント。2008年には、Agile Alliance よりアジャイルプラクティスの普及活動への貢献を認められ、一年に世界で2名に与えられるGordon Pask Award 受賞。日本では、XPJUGアドバイザリ、要求開発アライアンス理事を務める。著書「ソフトウェア開発に役立つマインドマップ」、共著「要求開発」、翻訳「XPエクストリームプログラミング導入編」「リーン開発の本質」「アジャイルプロジェクトマネジメント」「アート・オブ・アジャイルデベロップメント」など多数。

デベロッパー主導のルネッサンスからビジネスのソリューションへ

編集部

長年アジャイルの普及活動に取り組まれてきた平鍋さんから見て、その状況に何らかの変化を感じられますか?

平鍋氏

最近はかなり状況が変化してきていると思います。簡単に言えば、これまで開発者主導だったアジャイルがビジネスにも受け入れられるものになってきたと思いますね。

 

僕が最初に出会った2000年~2003年頃のアジャイルは、開発手法のベストプラクティスを集めたeXtreme Programming(XP)を中核に、開発者の復権やコーディングの創造性などを謳ったルネッサンスでした。

 

ソフトウェアの工業化に対して、「ソフトウェアは工場で部品を組み上げるように製造できるものではない」と違和感を訴える現場の開発者たちが展開したXPやScrumなどの活動にアジャイルという名前がつき、それがムーブメントとして巻き起こったわけです。

 

ただ、中間管理職はそれをうまく受け入れられなかった。企業活動としては利益を上げなければならないし、彼らの言うことばかりを聞いているわけにもいかないということで、特に日本ではアジャイルはビジネスに受け入れられず、長い間、開発者だけの間に留まっていたんです。

開発とビジネスの間には長年溝が横たわっていた
開発とビジネスの間には長年溝が横たわっていた

 

 

本来、アジャイルはビジネスと開発を一緒にしようという思想です。開発者もビジネスを考えなければならないし、ビジネス側も開発に参加する必要があると説いています。ただ、最初の頃の見せ方がまずかったのか、それが上手く理解してもらえなかった。

 

そうした状況が徐々に変わりつつあるということです。米調査会社フォレスターによる報告によれば、プロジェクトにおける開発手法として今年はじめてアジャイルがウォーターフォールの採用率を上回ったという結果も出ています(アジャイル35%:ウォーターフォール34%)。

 

大規模は別としても、10~20人規模のビジネスに直結した開発ならアジャイルがメインストリームになることが目に見えている。開発者主導だったアジャイルが、欧米ではようやくビジネスにも受け入れられるようになったということですよね。(次ページに続く

 

次のページ
スクラムの認定制度ができてから流れが変った

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この記事の著者

緒方 啓吾(編集部)(オガタ ケイゴ)

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