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週刊DBオンライン 谷川耕一

なぜ日本IBMやJCBは「OpenText」を選ぶのか? 失敗しない「エンタープライズAI」の条件

AIの真価は“情報の質”に宿る

重要性が増している、AIエージェントのライフサイクル管理 どう実現する?

 「自社のコンテンツがセキュアでなかったために、廃業に追い込まれた企業を見てきた」と警鐘を鳴らすのは、OpenTextのムヒ・マズーブ(Muhi Majzoub)氏。コンテンツこそが組織における最も重要な資産であり、厳格なセキュリティとコンプライアンス要件を満たし、“データの信頼性”を担保できる基盤を提供しつづけてきたからこそ、OpenTextは世界中の政府機関や1万2000社以上のエンタープライズ企業から支持を得ていると主張する。

 そして、エンタープライズAIの成否を握るのが「エージェントのライフサイクル管理」だとした。

OpenText 製品・エンジニアリング担当上級副社長(Executive Vice President Product & Engineering)ムヒ・マズーブ(Muhi Majzoub)氏
OpenText 製品・エンジニアリング担当上級副社長(Executive Vice President Product & Engineering)ムヒ・マズーブ(Muhi Majzoub)氏

 同社において、AIエージェントのライフサイクル管理を実現するための製品が「OpenText Aviator Studio」だ。この新製品は、AIエージェントの開発・実行、ガバナンス管理までを統括する「AIコントロールプレーン」として機能する統合環境である。業務ごとにAIエージェントを個別開発してPoC止まりになることを防ぎ、共通基盤上で一元的に管理したいという強いエンタープライズ企業のニーズに応えたものだ。

 Aviator Studioは、ノーコードおよびプロコードの両方に対応したUIを備える。たとえば「経費精算レポートのコンプライアンス違反をチェックする」というタスクを自動化したい場合、ユーザーは対話型のインターフェースを通じて達成したいゴールを自然言語で入力するだけで、新たなデジタルナレッジワーカー(AIエージェント)を生み出せる。生成されたAIエージェントは、既存の社内システムとAPIで連携して行動するだけでなく、OpenTextの管理下にある非構造化データ(ナレッジソース)を組み合わせて、精度の高い意思決定も行えるという。

 また、マルチエージェントのオーケストレーション機能も特徴的だ。単一のタスクをこなすAIエージェントだけでなく、独立した複数のAIエージェントをチームとして機能させることで、複雑なワークフローを自動的にオーケストレーションできる。

 当然ながらエンタープライズ企業の要望に応えるべく、AIを制御するためのシステムも強固な設計となっているようだ。プロンプトライブラリやモデルブローカー、プロンプトインジェクション防止を含むガードレール設定機能に加えて、ID管理や監査ログなどを備えたセキュアな実行環境を提供する。MCPやA2Aといったオープンプロトコルにも対応しており、OpenText製品群だけでなく外部エコシステムを含めた、再利用性の高い「AIファブリック」として機能する。

 さらにAIエージェントの本番環境へのデプロイ先もSaaS、オンプレミス、オフクラウド(Off-Cloud)を選択でき、リリース前にアプリケーション内で“AIの思考プロセス”を監視・シミュレーションできるテスト環境も組み込まれている。これにより、大企業や規制産業でも安全にAIを運用できるとした。

次のページ
日本IBMとJCBが描く、OpenText実装のリアル

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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